<ロッテ0-7楽天>◇11日◇QVCマリン

 先発第3の男は俺だ。楽天美馬学投手(26)がロッテ打線を7回7安打無失点に抑え、6勝目を挙げた。これで18イニング連続無失点と、調子を上げてきた。田中、則本に続く先発投手が課題だったチームに朗報だ。3連戦初戦の前日は完敗で、嫌な流れになりかけていた。それを阻止する好投の裏には、小山伸一郎投手(35)の体を張った“アシスト”もあった。優勝マジックは一気に3つ減り、15となった。

 ピンチでも、美馬は落ち着いていた。1回1死から連打され、一、三塁。ここで、ロッテの4番ブラゼルを迎えた。表の攻撃でジョーンズに3ランの援護をもらっていたが、1発同点の危機。長打は絶対に避けたかった。「低く投げよう」と心がけ、その通りに投げたフォークを打たせた。遊ゴロ併殺で切り抜けると、7回まで0を続け、6勝目を手にした。

 試合後は反省を忘れなかった。「立ち上がりは、いつもああなる。そこを低めに投げて抑えられたから、後の回も抑えられたのかな。打線が調子良いので、勝てる試合にしたい」。3回には、マギーも3ラン。主砲2人の助けもあり、2回からは楽に投げられた。これで、18イニング連続無失点。先発3番手の座をつかんだ。星野監督は「だいぶ、上がってきている」と、うれしそうだった。

 打線の援護が大きかったが、実は、もう1つ“援護”があった。試合前の練習冒頭。小山伸が円陣の真ん中で、スピーチを始めた。「昨日は満塁本塁打を打たれて申し訳ありませんでした。このまま終わるつもりはありません。また、新たな気持ちで頑張りたいと思います。みなさん、応援よろしくお願いします」。選手からは、クスクスと笑い声が起きた。それもそのはず。帽子を取った小山伸の頭は丸刈りにそられていた。完敗した前日、7回に満塁弾を打たれた反省とばかり、この日、自らバリカンを購入しそり上げた。

 先輩の体を張った行動で、前日の嫌な雰囲気は吹っ飛んだ。美馬は「昨日負けたので、今日は何としても勝たないといけなかった。小山さんは、いつも盛り上げてくれる。(完敗の翌日でも)やりにくい雰囲気はなかったですね」と感謝した。優勝マジックは15となり、1ケタも見えてきた。明るく、元気に、初優勝へ突っ走る。【古川真弥】