<阪神2-3中日>◇11日◇甲子園
新米パパが、たくましくなって帰ってきた。左足首捻挫から復帰した阪神柴田講平外野手(27)が、復帰即、スタメン起用に応え、適時二塁打を放った。
「何のためにまた(1軍に)呼ばれたのか考えながらプレーしました。何が何でもかえしたいという気持ちでした」
0-0で迎えた7回1死一、二塁。中田賢の真ん中に入ったストレートをはじき返した。鋭い打球は一、二塁間を抜けた。二塁走者の鳥谷がかえり先制。復帰後初安打が、均衡を破る一打になった。
福留のケガで空いた右翼のレギュラーを取りかけた矢先のアクシデントだった。6月16日の楽天戦(Kスタ宮城)。二盗を成功させ自慢の足を披露したが、負傷した。「左足首捻挫」と診断され、リハビリ生活が始まった。
転機が訪れた。6月21日に第1子となる長女聖来(せいら)ちゃんが誕生。鳴尾浜でリハビリを続けていた柴田が聖来ちゃんに会ったのは、生まれてから10日たってからだった。初めて抱くわが子。「いつまでもこの状態じゃダメだ。プレーをしているところを見せたい」と決意した。
「子どもに鼓舞してもらったかたちですね」
真夏の鳴尾浜は灼熱(しゃくねつ)と化する。その中、室内練習場で黙々とメニューに取り組んだ。実戦復帰前は「あと1歩の感覚がまだ。少し怖さもある」と漏らしたこともあった。それでも1軍の舞台を目指し、約3カ月のリハビリを乗り越えた。
前日10日の午後11時ごろに、2軍の名古屋遠征の宿舎で1軍昇格を知らされた。この日朝に帰阪し、眠る娘のほっぺを触って甲子園に向かった。小さな娘が大きな大きな力になった。シーズン終盤、まだまだこれから躍動する。【宮崎えり子】



