<阪神2-3中日>◇11日◇甲子園
甲子園の女神に見放された。7回、復帰した柴田が先制打で起用に応え、代打桧山は押し出し死球に笑顔でガッツポーズ。最高の勝ちパターンだったのに「継投ミス」(和田監督)で逆転負け。今季甲子園で24勝25敗2分けと借金1になった。このまま2位でシーズンを終えれば、CSファーストステージの舞台は甲子園。居心地の悪い“わが家”では、勝ち抜けない。
虎将が謝った。ベンチ裏の会見場に現れた和田豊監督(51)は、厳しい表情を崩さずに言った。
和田監督
結果がすべて。これは私の継投ミス。
今季初めて、継投を「ミス」と表現した。メッセンジャーの力投も柴田の復帰即適時打も、そして桧山の押し出し死球による引退表明後初打点も。喜びは全て吹っ飛んだ。4戦勝ちなしの、痛い逆転負けだった。
7回、1点を先制してなおも1死満塁にした。そこまで無失点のメッセンジャーに「神様」桧山。球数はまだ98球だった。スタミナ満点の助っ人右腕にしては珍しく、早めの交代。2点目を奪って決断は成功した…かに思えた。左が並ぶ8回は、左腕加藤を送った。
中西投手コーチ
誤算だったな。安藤は特にボールがきてなかった。このパターンで逃げ切れないと苦しい。
加藤は1死から森野に左前打を許した。4番和田には四球。クラークの左前打で1点差に迫られた。高橋周を打ち取って2死一、二塁。ここで安藤へスイッチした。だが、ベテラン右腕がまさかの乱調。谷繁にストレートの四球、代打堂上剛に同点適時打、代打山崎には押し出し死球で、あっさりと逆転された。
加藤はチーム最多の52試合目、安藤は51試合目の登板だった。ここまでチームを支えてきた中継ぎの左右両輪だ。万全を期した継投が、結果的に失敗した。
和田監督
やっぱり四球だよね。加藤も安藤も…。
裏目に出たのは「投」だけじゃない。低調な打線を再びテコ入れした。西岡を3番三塁から定位置の「1番二塁」へ戻し、3番に新井を繰り上げた。新井良をスタメンに戻し、右翼には1軍昇格したばかりの柴田を起用。「流れを変えたかった?」の問いに「その通り」とうなずいた指揮官だったが、連打のないまま5安打に終わった。
これで、甲子園では24勝25敗2分けと黒星が先行した。昨年も聖地では負け越している。1カ月後に迫るクライマックスシリーズ。ポストシーズンの地元開幕はほぼ確実だが、安心できない数字が残る。中日か天敵の前田健がいる広島か、8勝11敗のDeNAか。不安を抱えたままのプレーでは、甲子園の女神もそっぽを向く。【近間康隆】



