<ヤクルト6-12広島>◇12日◇神宮

 広島野村祐輔投手(24)が、念願の10勝目を手に入れた。プロ初本塁打となる3ランを放つなど、自身のバットで自身を援護。2本塁打されたものの、ヤクルト・バレンティンに1発を許さず、6回を4失点にまとめた。打線もキラ、エルドレッドの両助っ人がアベック弾を放つなど12点を奪い、今季初めて3連戦に3連勝。勢いをつけて14日からの6連戦(マツダスタジアム)に臨む。

 野村は、自らのバットで2桁勝利をもぎ取った。3回2死一、二塁。ヤクルト徳山の甘く入った136キロのストレートを振り抜いた。完璧な打球が神宮の夜空に舞い上がり、カープファンで埋まる左翼席に飛び込んだ。プロ初の本塁打は、点差を5点に広げる3ラン。野村は「打った瞬間はどこに行ったのか分かりませんでした。うれしいですね」と顔をほころばせた。

 明大3年春のリーグ初戦の東大戦で、野村は大学時代唯一の本塁打を放っている。思い出の神宮で、再びアーチをかけた。投げては川端、武内に2ランを浴び、6回4失点。それでも、本塁打新記録を狙うバレンティンを2打数無安打(1四球)に抑えた。球場内は異様な盛り上がりだったが「いつも通りに投げた。あんな空気の中で対戦できてうれしかったです」と、記念の白星を手に入れた。

 新人だった昨季、8月下旬に9勝目を挙げ、2桁勝利は目前だった。そこからシーズン終了まで7戦未勝利(5連敗)と苦しんだ。今回は8月30日に王手をかけ、6日のDeNA戦には敗れたが、足踏みは1度だけで大台に到達。野村は「勝たせてもらいました。野手がたくさん打ってくれました」と感謝した。山内投手コーチも「これで次の登板で違う気持ちで入れる」と大台突破で精神的にも楽になることを歓迎した。

 当初は14日の巨人戦に先発予定だったが、クライマックス・シリーズ(CS)進出へ勝負をかけ「状態のいい投手を先に出す」(野村監督)方針に転換。9日夜に中5日での先発が伝えられた。野村は「そういう可能性はあると聞いていたので、気持ちの準備はできていました」と、結果を出した。チームは8度目の挑戦で今季初の3連戦3連勝。「大きいですね。この勢いを続けたい」と野村。壁を乗り越えた先に、歓喜が待っている。【高垣誠】