<ソフトバンク2-4西武>◇12日◇ヤフオクドーム

 逆転CSへ、主砲がチームを生き返らせた。西武中村剛也内野手(30)が同点の8回2死一、二塁、摂津から決勝の適時打。負ければ5位転落、自力CS進出も消滅するピンチを救った。ソフトバンク戦の連敗を6で止め、3・5ゲーム差。頼れる主砲は、はっきりとCS進出を視界にとらえた。「3・5でしょ?

 すぐでしょ。(相手が)4連敗、4連勝で逆転できる。全然あきらめてません」と逆襲を誓った。

 後輩を思いやる中村らしさが詰まった一打だった。5番の坂田が、1回は1死満塁、8回は1死一、二塁のチャンスで凡退。ベンチで落ち込む姿に、主力として、責任を背負う決意で打席に入った。「自分も打てなければ、坂田も引きずるかなと。気持ちを楽にするためにも、必死こいて、ランナーをかえそうと思った」。今季初の勝利打点より、ベンチで表情を和らげた坂田の姿にホッとした。

 残り20試合で、3位とのゲーム差は3・5。直接対決は残り3試合ある。試合後、渡辺監督は10年シーズンの悪夢を頭に浮かべ、言葉に力を込めた。「残り6試合で3・5ゲームをひっくり返されたこともある。数字的にも、まだまだ望みは捨てていない」。天敵摂津、ソフトバンクに競り勝ち、チーム全体に「逆転CS」の機運が高まった。【久保賢吾】