日本ハムのルーキー大谷翔平投手(19)が、無敗での「ダル超え」を目標に設定した。13日、チームとともに福岡へ移動。明日15日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で9度目の先発登板予定だが、残り登板へ向けて「全部勝ちたい」と闘志を燃やした。現在3勝で、あと3試合ほどの登板が見込まれる残り試合に全勝すれば、ダルビッシュ(現レンジャーズ)が高卒1年目でマークした5勝を上回る。

 目標は単純明快だった。明日15日のソフトバンク戦を含めた残り登板試合に向け、大谷は短い言葉にすべてを込めた。「全部勝ちたい」。あと3試合で勝利投手になれば、5勝を挙げた高卒1年目のダルビッシュを超える6勝を手にする。それも、無敗で成し遂げることになる。

 自信はある。救援登板を挟み、先発ローテーションに戻ったここ2試合はともに100球近くを投げ、2失点以下と安定。シーズン終盤を迎えても「疲れはないです。1イニングでも多く投げたい」と力強い。

 前回登板した6日の楽天戦では、連勝記録を伸ばす田中と投げ合った。5回1死までリードを保ったが、同点打を浴びて降板。試合は敗れた。右手小指付近と左膝内側に打球を受けるアクシデントはあったが、日本のエースの実力を目の当たりにした。「全部が違う。すべてが足りない。比較するってことはないけど、(自分が)どこがダメでそうなった(同点打を浴び先に降板)のかは感じます」と、かけがえのない経験になった。栗山監督は大谷を「(悔しさを)生かしてくれるタイプの選手」と評する。大きな壁にはじき返され、またひとつ成長した姿を見せるはずだ。

 まずは、明日の9度目の先発マウンド。ソフトバンクとは、最多4度目の対戦となる。「(相手打者を)外野からも見ていた。いい打線ですし、1人1人、抑えるしかない」。背番号11の偉大な先輩を超えるため、チームがクライマックスシリーズに進むため、負けられない戦いが続く。【本間翼】