<楽天10-11ソフトバンク>◇18日◇Kスタ宮城

 楽勝ムードが一転、楽天が逆転負けを喫した。ソフトバンクに対し、最大6点をリードしたが、好投した先発ジム・ハウザー投手(29)が6回2失点で降板してから流れを失った。継投に失敗し、終盤3イニングだけで9点を失った。9回の最後の攻撃で1点差まで詰め寄る粘りは見せたが、及ばなかった。優勝マジックは「9」のまま足踏みした。

 どんなに粘っても、負けたら意味がない。星野監督は「9回は、よく粘ってくれたけど、追い越さないとダメ」と、悔しさと怒りをかみ殺すように言った。3点を追う9回、1死満塁でジョーンズがソフトバンク・ファルケンボーグから左翼線二塁打を放ち2得点。1点差に追い上げたが、後が続かなかった。最後は2死満塁で松井が二ゴロ。押せ押せで盛り上がっていた本拠地の空気は、一瞬でため息に変わった。

 楽勝のはずだった。5回までに6点をリードしたが、先発ハウザーが降板してから流れを失った。7回、2番手釜田が先頭から4連打で2失点。代わった金刃は犠飛を許した。8回は、青山が江川に2ラン。なんとか1点リードで9回に入ったが、長谷部は制球が安定せず4失点。せきを切ったように点を失った。星野監督は「7、8、9回で9点を取られたら勝てない。こういうことも計算していたけど、6点差をひっくり返されるのは想像もできなかった。釜田、青山は、どうしようもない」と、お手上げだった。

 恐れていた事態ではあった。抑えのラズナーが故障離脱。首位とはいえ、日替わり守護神でしのいでいる。9回の長谷部は、これまで好投を続けており、信頼度は上がっていた。ただ、12日にプロ初セーブを記録したばかり。前日17日に2セーブ目を挙げたが、星野監督は「連投は避けたかった」と言った。大量リードを守っていれば、この日の出番はなかった。

 結局、1つ1つの失点がボディーブローのように効いてしまった。ハウザーは好投したが、5回に細川に2ランを打たれた。打率2割4厘だが、楽天戦は3割5分3厘。星野監督が「5本のうち、4本か」と言ったように、4本塁打目を許した。かもにされている。

 残り20試合を切ってからの星野監督は、負けても「切り替える」と感情は抑えめになっていた。この日も口ぶりは丁寧だったが、さすがに表情は硬かった。優勝へ優勢であることはみじんも変わらないが、大逆転負けは痛い。今日19日を最後に約2週間の遠征に出る。日程上、遠征中に優勝が決まる可能性の方が高い。仙台に気持ちよく凱旋(がいせん)するためにも、本当に切り替えるしかない。【古川真弥】

 ▼楽天が最大6点差の逆転負け。5回裏に8-2としながら、後半3イニングで9失点と踏ん張れなかった。楽天が6点差を逆転されたのは野村監督時代の08年4月8日、日本ハムを3回表までに7-0とリードしたが最終的に7-8で敗戦と、7点差を逆転されて以来5年ぶり2度目。