<中日3-2巨人>◇18日◇ナゴヤドーム
胴上げさせるな!
守道竜がオーナーの激励を受け、宿敵の眼前胴上げを阻止した。2-2で迎えた7回に森野将彦内野手(35)が16号決勝ソロ。試合前、白井文吾オーナー(85)からハッパを掛けられていた高木監督は意地の勝利を挙げ、巨人のナゴヤドーム胴上げを防いだ。クライマックスシリーズ(CS)進出を争う3位広島とは4・5ゲーム差。指揮官は「カープに食らいつきたい」と気勢を上げた。
“胴上げ阻止弾”は滞空時間の長いアーチだった。竜のプライドを示したのは森野だ。同点で迎えた7回。カウント3ボール1ストライクから巨人沢村の直球をつかまえた。右翼ポール際に高く舞い上がった打球は、竜党が待つ最前列に吸い込まれた。
阪神が勝ったため、中日が負けていたら巨人の優勝マジックは2。今日19日にもナゴヤドームで原監督が宙を舞う可能性もあった。そんな屈辱的なシーンを、バットでかき消した森野は「強いスイングをしようと思っていたけど、まさかホームランとは思わなかった。甘い球が来たらと思っていた」と冷静に振り返った。
試合前には通算150本塁打の表彰を受けたが、自らを「ホームランバッターじゃない」と言う。理想のヒットは?
と問えば「間を抜けるような打球」。理想の打者は?
と問えば「前田さんのような…」と広島前田智のような勝負強さを目標に挙げる。本塁打はあくまでもヒットの延長。チャンスで飛び出たことが何よりも喜びだった。
喜びを爆発させたのが高木監督だ。試合後にホクホク顔で現れ「いつも文句ばかり言ってるしね。ようやく最高の1点が出た」と、ぼやきのターゲットになることが多い森野にまずは最敬礼。そして実は…と、ナゴヤドームに訪れていた白井オーナーとの会話を明かした。
「オーナーにハッパを掛けられました。『胴上げさすな』って。いや~厳しいですよ。『はい』とは言えなかった(笑い)」
CS進出を争う3位広島とは4・5ゲーム差と厳しいが、可能性がある限りは前に進むしかない。「そりゃ、あきらめませんよ。私だって。なりふり構わず一丸となってカープに食らいつきますよ」。宿敵巨人を破り72歳高木監督の声は張りがあった。【桝井聡】



