<広島3-1阪神>◇19日◇マツダスタジアム

 CSも虎をガブリ!?

 広島は、野村謙二郎監督の47度目の誕生日を勝利で祝った。菊池涼介内野手(23)が再三の好守でピンチを切り抜け、1-1の7回1死二塁で代打岩本貴裕外野手(27)が、右前適時打。打席に入る直前、指揮官のささやき激励もあり、決勝点をたたき出した。指揮を執る4年間で、誕生日は3勝1敗と勝ち越し。3位以内へのクリンチナンバーも6とし、最高のバースデーになった。

 うれしくないはずがない。47度目の誕生日を迎えた野村監督は「(年を取るのは)あまりうれしくないね」と、試合前は祝福を受けても照れ笑いだった。だが、選手からの最高の“プレゼント”には笑いが止まらなかったはずだ。

 まずは、孝行息子が輝いた。2年目の菊池だ。1回に先制され、なおも2死一、二塁のピンチ。福留が放った打球が、一、二塁間を襲う。俊足を飛ばし、外野芝生部分でダイビングキャッチ。「捕れると思わなかったけど、入ったのでヨッシャーと思った」。失点すれば、流れは確実に変わっていた。さらに、3回2死一、二塁では、新井の二遊間への鋭いゴロを逆シングルでスライディングキャッチ。いずれも素早く送球し、二ゴロに仕留めた。野村監督は「キクのファインプレーで、2点防いだ。すばらしい守備だった」と賛辞を贈った。

 流れを引き戻すと、采配もさえ渡った。1-1の7回1死二塁で送り出したのは、代打では9打席無安打中の岩本だ。不振に陥る大砲に、ベンチ前でささやいた。「ボールなのか、ストライクなのか、初球に集中しなさい」。結果を求め、強引になっていた打撃に、冷静さを求めた。

 アドバイス通り岩本は初球の変化球を見極めると、2ボール2ストライクとなっても落ち着いていた。6球目のカーブを捉えると、打球はワンバウンド目で大きくはずみ、一塁手新井の頭を越える決勝適時打となった。今のチームは、運さえも味方にしている。

 岩本

 ライト前になってラッキーだった。試合前から、誕生日ということは知っていたので。プレゼントになったと思います。

 野村チルドレンの活躍で、クリンチナンバーは6まで一気に減った。野村監督は「みなさんのおかげです。今から、おいしくいただきます」と笑った。プレゼントされた高級焼酎で、最高の夜を楽しんだことだろう。【鎌田真一郎】