<広島3-1阪神>◇19日◇マツダスタジアム

 星野さんも岡田さんも、真弓さんでも無かった長~いトンネルだ。前夜の大勝は何だったのか、と言いたくなるような打線沈黙で、また1勝2敗のカード負け越しだ。負け越しが7カード続くのは、野村監督1年目の99年以来という“事件”。力投スタンリッジに代打を送れず、直後に勝ち越される後手後手の展開では、勝機がまるで見えてこない。

 最後はハヤタのバットが空を切った。9点快勝劇から一夜明け、虎は再び5安打「スミ1」と眠りに入った。広島との「CS前哨戦」も1勝2敗。8月27日から東京ドームで屈辱の3連敗を喫してから、これで7カード連続の負け越し。99年以来14年ぶりとなる悪夢だ。虎将が褒めたのは、くしくも伊藤隼と同じ2年目の広島菊池だった。

 和田監督

 今日は菊池1人にやられたね。タイムリーを2本捕られて、犠牲フライも打たれて。臭覚というか、打球方向も研究しているんだろうけど、ポジショニングにやられたな。

 1回、1点を先制してなおも2死一、二塁とたたみ掛けた。福留のゴロは一、二塁間へ飛んだ。右翼への適時打と思われた打球を、定位置より右後ろにいた菊池が芝の上でダイブ。3回も2死一、二塁で、新井貴の中前へ抜けそうなゴロを逆シングルでつかまれた。2度の好守に阻まれ、守りで流れをつくられた。

 バットでも2安打を許し、塁上で揺さぶられた。7回には2ストライクから左手1本で食らい付かれて3点目の中犠飛を献上。阪神戦だけ打率3割を超える新星は短期決戦でも嫌な存在になる。

 お手上げ、している場合ではない。勝ちたい執念を見せるべきだった。同点の7回、2死から清水がポテン安打で塁に出た。6回まで95球のスタンリッジをそのまま打たせて凡退した。代打を送らず、その直後に失点する、今季だけでも何度か見たパターン。期待の伊藤隼も音無し。広島菊池のように若手も羽ばたけないままだ。バッテリーを中心にミスを重ね、収穫のない負け戦だった。

 和田監督

 今カードも負け越してしまったけど、前のカードまでとは状態が明らかに違うので。ここでしっかり踏みとどまらないと。甲子園で、またやっていきます。

 いよいよ巨人のマジックを1にした。和田監督は必死に前を向こうとしているが、やって来た宿敵の「その時」、そして負の連鎖が止まらない現状への悔しさが見えない。開幕前の激励会で南球団社長が熱いゲキを飛ばした。「チクショーという気持ちを忘れずに」。シーズン残り14試合。今はダメ虎と言わせない気概が見たい。【近間康隆】

 ▼阪神は8月27~29日の巨人戦から7カード連続負け越し。これは野村克也監督1年目の99年9カード以来、14年ぶり(同年は55勝80敗、勝率4割7厘で6位)。期間中21試合の1試合平均得点は2・7点で、期間前の3・8点から1点以上ダウン。期間中の得点圏打率は157打数34安打の2割1分7厘で、期間前の2割6分1厘から下落している。19日広島戦でも、得点圏に走者を置いた場面は5度あったがノーヒット(2四球)。チャンスに打てず黒星を重ねている。