<中日2-3巨人>◇19日◇ナゴヤドーム
今季初めて負け展開で浅尾を投入する執念継投も実らず、3位広島との差は再び5・5に開いた。今季限りで退任する中日高木守道監督(72)のレギュラーシーズン最後の巨人戦は完敗。監督は感傷的になるどころか、背信の大野や森野への怒りをぶちまけた。伝説の10・8で敗れ、打倒巨人に燃えた監督2年間だったが、連続の負け越しでリベンジは果たせず。CSでもう1度巨人と戦う奇跡は訪れるのか。
巨人との最終戦は、今季を象徴する完敗だった。現役時代から打倒巨人に心血を注ぎ、今季限りで退任する高木監督にとっても最後の戦い。だが今季初めて負け展開で浅尾を投入する執念継投も実らず、有終どころか重苦しい夜になった。一塁側通路でさく裂したのは、怒りの守道節だった。
「変わらんね。毎回同じことやない。失敗ばかり繰り返してるのはあかん。母校行って座禅して来い!」
最初にやり玉に挙げたのは10敗目を喫した先発大野だ。初回にあっさり先制されるなどKOに近い5回2失点。背信投球の連続に顔を真っ赤にした。「母校」とは大野の出身の京都・佛教大。驚きの座禅指令だ。
大野への苦言が終わると矛先を野手に向け、森野を激しく叱(しか)った。前日決勝弾はベタぼめだったが、24時間で戦犯扱いだ。
「初回の投ゴロなんてミスでしょ?
若いヤツならまだしも繰り返しとるのは話にならん。あんなんじゃなかったのにな。昨日ホメたのに怒らなあかんやん」
1点を追う初回1死三塁の好機で投ゴロ。4番和田も凡打して0点に終わり、逆にホールトンを乗せてしまった。その後大野や田島も追加点を許し、7回平田に2ランが出たが、時すでに遅しで1点が遠かった。
「ああいうホームランが出るんですよ。それまでにちゃんとやってりゃ、あの2ランも生かせる。でもこういう形で終わっちゃう。力不足、弱いんですよ!」
巨人には前回監督を務めた94年には伝説の10・8決戦で敗北。昨年のV逸確定後も「うちは巨人にだけ勝ちゃいいんだ」と、人一倍執念を燃やしてきたが、2年連続で負け越し。前日ナゴヤドーム胴上げを阻止するのが精いっぱいだった。
「今年は巨人に限らず、みんなに負けとる。4位だ5位だって言っても実質ビリだ。私であり、コーチでありが修正できんかった」
セの全球団に負け越しながらの4位も気に入らないようす。ついにCS断念の終戦宣言かと思われるざんげも出た。だが気まずい空気を察し、懸命にファイテイングポーズをつくった。
「でも決まってないんでしょ?
頑張りますよ!」
残り11試合で3位広島と5・5差。CSで巨人にリベンジできる奇跡は訪れるのか。もはや徳俵、土俵際の土俵際だ。【松井清員】



