<巨人4-7広島>◇21日◇東京ドーム
巨人の2年連続「9・21V」はならなかった。先発の杉内俊哉投手(32)が、3本塁打を浴びるなど6回7失点で降板した。背中の違和感を訴えた阿部慎之助捕手(34)を欠いた打線は、広島先発の前田健の前に6回まで1安打と元気なし。昨年と同じ9月21日の優勝決定を狙ったが、今日22日以降に持ち越しとなった。
舞台裏は慌ただしかった。チームドクターが球団ブースに報告のため駆け込む。川相ヘッドコーチと橋上戦略コーチは、審判室にルール確認のため走った。試合開始のわずか10分前だった。阿部が背中の違和感を訴え、ドタバタが始まった。5分前に行われる最後のメンバー表交換。その場で原監督が、阿部に代わって井野が出場することを審判団と野村監督に伝えた。
セ・リーグのアグリーメントでは、球審が試合出場不可能だと判断した選手について、交代が認められている。ただし、打順の変更はできない。試合開始を待たずに、9月21日の舞台から、阿部は外れた。そのまま都内の病院で検査を受けた結果、右脇腹から背中にかけての帯状疱疹(ほうしん)と診断された。阿部は「朝はなんともなかったけど、試合直前に急に痛くなった。初めてだったので、痛かったです」と話し、今日22日の試合の出場については「神様に聞いてください」と元気がなかった。
昨年に続き9月21日に優勝を決め、特別な夜にするつもりだった。原監督も試合前のミーティングで「みんなの頑張りでマジック1になった。分かりやすい数字。今日は思う存分戦ってください。さあ、行こう!」と勢いづけたが、3番、捕手、キャプテンと1人で3つの役をこなす阿部の不在は痛かった。
試合後、阿部不在の戦いについて聞かれた原監督は「そうやって戦ってきている。ペナントレースという長丁場の中で、1という数字を迎えたわけだから、ジタバタする必要はない」と、万が一のために2軍から加藤健を呼ぶことを決めた。「みんないいムードで迎えたと思う」と、この日のチームのムードには手応えも感じていた。「9・21」を特別にすることはかなわなかったが、仕切り直しのVを狙う。【竹内智信】
◆帯状疱疹
水ぼうそうを起こす原因ウイルスと同じ水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気。疲労やストレスが原因で、免疫力が低下することにより発症する。症状はチクチクした痛みに始まり、赤い発疹ができる。重症化すると神経痛を引き起こすこともある。抗ウイルス薬を服用することで症状が和らぐが、服用中はアルコールを摂取できない。



