<日本ハム1-15楽天>◇22日◇札幌ドーム

 最下位に沈む日本ハムが今季ワースト15失点を喫し、首位楽天に惨敗した。先発ボビー・ケッペル投手(31)が3回5失点で降板。後続の投手陣も乱れ、計17安打10四球で、08年9月17日楽天戦以来の15失点。札幌ドームでの楽天戦は8連敗と散々な黒星だった。残り12試合、12年ぶりの最下位は免れたいが…。

 7回表の守備中のことだった。日本ハム3人目の斉藤が2つめの押し出し四球で9点目を与えたところで、本拠地ファンの失望を表すように、チームカラーの青い風船が1つ、一足早く天に上がった。本来なら直後の7回裏の自陣攻撃前に一斉に飛ばす応援グッズだが、あまりに開いてしまった得点差に、ファンの一体感は、残ってはいなかった。5年ぶりの1試合15失点に、05年以来のシーズン70敗目。試合終了を見届けることなく、満員御礼4万人を超える観客が次々と球場の出口へ足を向けた。

 試合は序盤に決まってしまった。2回、先発のケッペルが2四球と犠打でピンチを招き、楽天聖沢に2点中前打を許すと、2死後からは3連続長短打で大量5失点。今季、5点差以上のビハインドから逆転勝ちした試合は、1試合もない。右肩手術から完全復活できない右腕は「こういう展開になった責任は僕にある。早い段階で点をやると、打者のリズムも悪くなる」と、謝罪の言葉を繰り返すしかなかった。

 今季チーム与四死球はソフトバンクに次いで多く、この日だけで10四球。歩かせた走者のうち5人が、そのままホームを踏んだ。締まらない内容に、温厚と評される北海道のファンからも、ついに「金返せ!」と怒号が飛んだ。惨敗で今季ワーストタイの借金10。「すみませんとか、申し訳ないでは、すまない。頭を下げてすむ問題ではない」と言う栗山英樹監督(52)の声は、かすれていた。【中島宙恵】