<阪神6-1DeNA>◇24日◇甲子園

 エース能見が、お久しぶりの連勝だ。阪神能見篤史投手(34)が8回を投げて4安打1失点で11勝目。自身7月以来、2カ月半ぶりの連勝をマークした。チームにとっても大きな白星。苦しんだ9月では初連勝で、ようやくCSに向けてエンジンがかかってきた。

 能見に「エース」らしさが戻ってきた。8回を淡々と3人で片付けると、お役御免。表情を崩さずに、静かにベンチに引き揚げた。チームは9月に入って初めての連勝。立役者は、8回1失点で自身11勝目をマークした左腕だ。はにかんだような笑みがこぼれた。

 「全体的に、低めにしっかり投げられた。そこ(チームの連勝)が一番良かったですね。チームとして勝つというのがね」

 初回、2死からいきなり梶谷に被弾。先制点を献上する重苦しい展開だった。だが、能見に気負いはなかった。「我慢強く投げていたら点を取ってくれると思っていた」。2回以降は低めにボールを集め、凡打の山を築いていった。尻上がりに調子を上げると、6~8回は完全投球。6月25日の中日戦と7月9日の中日戦で連勝して以来、自身2カ月半ぶりの連勝。9月3勝目で、5、6月と月間MVPを受賞した輝きが戻ってきた。

 「勝ちがつくと、ピッチャーは特にガラッと変わる。自分でしっかりと上げて、もう一段良くなるようにしないといけない」

 あの分岐点を直に経験したからこそ、ポストシーズンにかける強い思いがある。8月27日からの東京ドーム。チームは5ゲーム差で乗り込んだが、2連敗。崖っぷちの第3戦(29日)に先発したのが能見だった。1点リードの9回に追いつかれ降板。延長の末サヨナラ負けしていた。そこからチームは大失速。ここまで、8カード連続で勝ち越せていない。

 だからこそ、CSであの場所にもう1度戻り、やり返さないといけない。エースは「調子を上げていかないとダメ。シーズン終わりに大事な試合があるので。挑戦権は必ずこっちにある。目の前の試合をしっかり戦っていって、何とか東京に乗り込みたい」と力を込める。

 今年はWBCから、ほとんど休むことなく突っ走ってきた。「自分の中で疲れはある」と言う。それでも9月に入り、中5日での登板を続け、調子も上げてきた。CSでは前日完封したメッセンジャーと2本柱になる存在。凜(りん)としたエースの姿が、心強い。【山本大地】