<中日3-5広島>◇24日◇ナゴヤドーム

 広島が初のCS進出に「王手」をかけた。先発の野村祐輔投手(24)が、1回に3点を失いながら、2回以降は粘りの投球。6回6安打3失点で、逆転を呼び込み11勝目を挙げた。クリンチナンバーはついに「2」。今日25日に勝利すれば、16年ぶりのAクラス、そして、初のCS進出が決定する。

 これが重圧なのか。CS進出へのクリンチナンバーを「4」とし乗り込んだ名古屋で、中日と直接対決3連戦。1つ勝てば“王手”をかけられる状況で、先発野村は1回につかまった。

 2死から森野に四球を与えると、和田に中前打を打たれ、一、二塁のピンチを招く。続く平田に初球のチェンジアップを左前に運ばれ先制を許した。なおも一、二塁で高橋周には、初球スライダーを右中間フェンス直撃の2点適時二塁打とされ、いきなり3点を追う展開となった。

 野村監督は「祐輔も硬くなっているんだろうな」と心中を察した。だが、2回以降に成長の跡を見せた。序盤に操れなかった100キロ台のカーブが精度を増す。直球は130キロ台ながら、より遅い変化球を交ぜることで相手を翻弄(ほんろう)。決して万全ではなかったが6回3失点と先発の役目を果たした。

 「本当にチームが勝ててよかった。この試合が大事なのは分かっていた」

 マウンド上ではポーカーフェースの右腕も、安堵(あんど)の表情を浮かべた。CS進出へのプレッシャー、さらに相手が大先輩というのも要因だった。

 14歳年上の川上とは、明大を経て、プロ入り1年目で新人王を獲得と、同じ道を通ってきた。初めての投げ合いは、昨年9月15日(マツダスタジアム)。前回は6回を投げ、内野ゴロの間に許した1点だけに抑えたが、それが決勝点となり0-1で敗戦投手になった。互角の投げ合いにも「すごい投手だと思います」と力不足を認めた。

 だが、2年目で10勝の壁を乗り越え、シーズン終盤もローテーションを守る野村は、確実にレベルアップしている。目の前に迫るCSの存在も成長を後押しする。クリンチナンバーは「2」。初めての扉が開くとき、野村もまた1歩成長を遂げるはずだ。【鎌田真一郎】