＜阪神２－４ＤｅＮＡ＞◇２５日◇甲子園

　もう、クライマックスシリーズ（ＣＳ）、不安だなあ。勢い満点にカープが３位以上を決めた日に、迎え撃つ立場の阪神はＤｅＮＡに完敗。セ・リーグで唯一ＣＳ経験のないチームを相手に、今季の勝ち越しがなくなった。前田健を思わせる右腕三嶋を打ちあぐね、連勝は２でストップ。４・５ゲーム差の２位確保、そしてＣＳ第１ステージでの激突に、明るい材料が見当たらない。

　不安いっぱいの１敗だ。蒸し暑い甲子園がため息ばかりに包まれた。前日２４日にＣＳの可能性が消滅したＤｅＮＡに、またやられた。連勝は２でストップ。このカード１２度目の黒星で、今季の勝ち越しは消えた。横浜時代は「お得意さま」だったはず。勝ち越せないのは９年ぶりになる。

　半月後にはＣＳが待つ。第１ステージの相手が広島に決まった。そんな日に、「仮想マエケン」を攻略できなかった。ＤｅＮＡ三嶋とは６度目の顔合わせ。３回２死から鳥谷の内野安打で挙げた１点が、三嶋から２３イニング目での初得点だった。１５０キロの直球とスライダーのキレで勝負する右腕は、広島の前田健に似たタイプ。今季６戦４敗、防御率０・４０に抑えられている“本家”と同じように、打てないままだ。

　水谷チーフ打撃コーチは「あのピッチャーからもう１点取らな」と嘆いた。ヒットは重ねた。好調マートンと鳥谷が２本ずつ。６回までに８安打だったが、１回２死一、三塁と３回２死一、二塁は、ともに福留が左飛に倒れた。６回は無死一塁で新井良が今季初の送りバント。短期決戦想定の采配も、新井貴と日高の代打陣がそろって三振した。いつもの拙攻で、最後まで勝ち越せなかった。

　勝てないのを証明するには十分の負けパターンがある。三嶋だけでなく左腕藤井には４戦全敗。梶谷や金城、荒波、この日はいなかったモーガンと、阪神戦が得意の左打者（金城は両打ち）に痛打された。同じ負けパターンは、来季以降への不安も残る。何よりも下位チームに負け越すようでは、優勝は遠い。

　決戦への敵が決まった。上り調子のリードオフマン西岡は勢いづくコイへの警戒そしてＣＳ地元開幕へ、全力プレーを誓った。

　西岡

　広島は投手がいいし、１、２、４番と打つし、怖いチーム。順位を決めて、甲子園で広島と戦いたい。

　残り９試合。広島とは４・５ゲーム差となった。２位確定への「マジック３」は減らないまま。８月末の巨人戦から続く連続カード勝ち越しなしは「８」へ伸びている。まずは今日２６日、スッキリ快勝であしき数字を振り払うしかない。【近間康隆】