<DeNA7-2巨人>◇28日◇横浜

 2つの不運に襲われた。巨人菅野智之投手(23)は4回、先頭ブランコの打球を右ひざの上に受けた。最初の不運。順調だった投球に、若干のかげりが出始めた。「影響はなかった」と強気に言い切ったが、高めに抜ける球がまじりだしたのは、この直後からだった。

 2つめの不運はこの回1死一、二塁となった場面で訪れた。金城を0-2と追い込み、3球目。内角高めへの速球に、相手が右肘を突き出してきたように見えた。投球がひじ当てに当たった瞬間、菅野は右手を顔の前で振ってアピールしたが、木内球審の判定は死球。そこから併殺崩れの間に先制点を許し、投手の井納に中前打を浴びて2点目を失った。「ピッチャーに打たれたのが全て」と気落ちしたのか、3点二塁打、2ランであっという間に失点を重ねた。自己ワーストタイの7失点を喫し、3回2/3で降板を余儀なくされた。

 金城への死球の後、内角球が甘くなった。直接の影響は否定したが「今日はそういう流れだった。CSじゃなくて良かった。投げさせてもらっているのに残念ですし、こういう試合にしてしまったのには責任がある」と、勝負どころで内角に投げきれなかった自分を責めた。

 15勝でリーグトップの広島前田健、ヤクルト小川との2勝差を詰められず、最多勝は絶望的となった。小川と争う新人王も厳しい状況にある。そして何より、内海、宮国と先発投手陣の崩壊が続いている巨人のチーム事情としても、このままでは不安が残る。菅野は「あと1試合投げさせてもらえる。そこで結果を出して、チームに安心感を与えられる投球がしたい」と言った。1年間のローテーションの締めくくりは今季最終戦。10月8日のヤクルト戦(東京ドーム)で、ポストシーズンにつながる投球をしてみせる。【竹内智信】