ラミちゃんとる!?

 ソフトバンクが、来季の助っ人セットアッパー候補としてメジャー423試合登板のラモン・ラミレス投手(32=レイズ傘下3A)をリストアップしていることが9日、分かった。ドミニカ共和国出身の右腕で、プロデビューは02年の広島という経歴の持ち主。10年はジャイアンツで世界一にも貢献している。

 ソフトバンクがタフなセットアッパーに注目している。少し昔を知るカープファンなら覚えているだろう。当時の登録名はラミーレス。日本でプロキャリアを始めた右腕は厳しいメジャーの世界でのし上がり、8年間で423試合を投げる実力派になった。その経歴は広島で2年間の2軍暮らしをへてプロデビューし、今夏ヤンキースで2000安打を達成したソリアーノに似通う。

 ラミレスはドミニカ共和国のコカ・コーラ工場で働きながら練習し、00年から同国のカープアカデミーでプレー。20歳だった02年に広島の日南キャンプにテスト生として参加した。山本浩二監督の目にとまり、推定年俸440万円で入団。この年は2試合に登板し、0勝0敗、防御率3・00だった。ただ、オフの契約交渉でまとまらず、ポスティングシステムにより3600万円で落札したヤンキースとマイナー契約を結んだ。

 06年にロッキーズでメジャーデビューし、初登板から15回1/3イニング連続無失点の球団記録をマークした。150キロ超の直球とチェンジアップ、スライダーを持ち球に6球団を渡り歩き、メジャー実働8年で通算423試合に登板し、23勝21敗、9セーブ、防御率3・42。08年にロイヤルズで71試合、09年にレッドソックスで70試合など5シーズンで60試合以上稼働した。主にセットアッパーとして結果を残してきた。

 10年途中に移籍したジャイアンツでは25試合で防御率0・67と安定した内容で、ワールドシリーズも2試合登板。世界一メンバーに名を刻んでいる。メッツを挟み、2年ぶりにジャイアンツに復帰した今季は6試合登板後、レイズ傘下3Aでシーズンを終えている。

 ソフトバンクには救援陣再編を迫られる事情がある。5年にわたってセットアッパーを務めたファルケンボーグがここ2年間、故障がち。今年も首や背中の張りで4度も戦列を離れ、41試合にとどまった。通年稼働が厳しく、再契約の可能性をわずかに残すものの、現時点で退団が濃厚。今オフは「国内外国人」を重視する堅実路線をとる一方、米国市場からもV奪回の力になる助っ人を絞り込んでいる。

 ◆ラモン・ラミレス

 1981年8月31日、ドミニカ共和国生まれ。02年に同国のカープアカデミーから広島にテスト入団。03年にヤンキースとマイナー契約。05年にロッキーズに移り、06年、25歳でメジャーデビュー。08年からロイヤルズ-レッドソックス-ジャイアンツ-メッツと渡り歩き、今季はジャイアンツ、レイズとそれぞれマイナー契約。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。