巨人原辰徳監督(55)が10日、現役引退する選手の出場選手登録について、1試合限定の「特別枠」を設ける私案を披露した。「引退を表明した選手は(ベンチ入りメンバー)25人と別枠で、1試合だけベンチに入れるようにしてはどうか。球団に提案しました」と、ベンチ入り26人のアイデアを明かした。

 1軍の出場選手登録は28人が上限で、そのうち、ベンチ入りできる選手は25人と定められている。原監督は「『28』とは、非常によくできている数字。攻守のバランスを考えて、野手に配分するか、投手に配分するかを決める」と説明した。戦う前段の用兵術こそ、勝負の重要なウエートを占めているとの持論がある。

 引退試合のために選手を入れ替えることで、チーム全体のバランスにひずみが生じ、勝敗に関わる恐れもある。「順位が確定している場合はいいが、今はCSもある」とも加えた。シーズン最終盤で登録を外れた選手は、最短の抹消期間である10日以内にCSが始まった場合、出場できなくなるリスクも生じる。

 広島は、10月3日の前田智の引退試合、同12日に始まるCSファーストステージの日程を逆算し、登録日を前倒しで設定した可能性が高い。10月3日の試合に敗れ、シーズン3位が決まった。

 一方で原監督は「引退を表明した選手は功労者です」と、野球人らしい愛情も示した。名選手の花道と戦略を両立させる。球界の現状に即し、建設的な提言をした。【宮下敬至】