日本野球機構(NPB)から「侍ジャパン」のコーチ就任を打診されている日本ハム稲葉篤紀内野手(41)が11日、受諾する意向を示した。小久保裕紀監督(42)の初陣を支えるため「断る理由はない」と明言。11月8~10日の台湾代表との親善試合に向け、大谷らメンバー入りの可能性がある26歳以下の若手選手には「ガチンコ勝負」を求めた。

 稲葉の心は、決まっていた。正式発表前のため慎重に言葉を選びながらも、新生・日本代表のコーチ就任要請を快諾する考えを明かした。「断る理由はない。甘い考えでは行きたくない。選ばれれば、しっかりとした気持ちで行きたい」。4年後のWBCでの世界一奪還を見据える小久保ジャパンの初陣を、コーチとして支える決意も示した。

 台湾代表との親善試合(11月8~10日)では「勝ちにこだわらないといけない」と、侍ジャパンとしての心構えを説いた。これまで選手として08年北京五輪や09、13年WBCを経験。世界一の歓喜も、負けた悔しさも味わってきた。「ちょっとした油断や甘えは本大会でも出てしまう」という教訓から常に勝ちにこだわる姿勢を求めた。

 今回の「侍ジャパン」は26歳以下の若手を中心にチーム編成される。メンバーに入る可能性がある、日本ハムの同僚大谷には「次のWBCで中心となれる存在。今のうちから、そういう経験をして(今後は)日の丸を背負うことを考えながらやってほしい」と話した。後輩らに直接、侍の心得を植え付けるつもりだ。

 この日は、札幌市内の室内練習場で現役選手として20年目を迎える来季へ向けて自主練習を開始した。チームは12年ぶりの最下位で長いオフが始まった。「やっぱり、結果」。負けられないプレッシャーを知る稲葉が、若侍に必勝イズムを注入する。【木下大輔】