<セCSファーストステージ:阪神1-8広島>◇第1戦◇12日◇甲子園
一振りでルーキーを沈めた。同点とされた直後の5回、2死一、二塁。広島キラ・カアイフエ内野手(29)が藤浪の甘く入ったカットボールを豪快に右翼席へ運んだ。勝ち越し3ランが勝負の流れを引き寄せた。
「カットボールを狙っていたわけじゃないが、その前の打席も真っすぐとカットしか投げてこなかったので、うまく反応できた」と胸を張った。1発を含む4打数3安打3打点と、まさに4番の仕事だった。赤く染まった左翼席の広島ファンに「すごかった。これだけのファンが来てくれて、大きな力になった」と感謝も忘れなかった。
お立ち台での第一声は日本語で「アリガトウゴザイマス!」。普段は物静かな男も興奮冷めやらない様子だった。野村監督のことは「シャチョー(社長)」と呼ぶ。チームに、日本に慣れようと努力する姿勢が、この日の活躍を呼び込んだ。野村監督も「キラの1発が大きかった」と主砲の働きに最敬礼だった。
指揮官は、阪神が大方の予想を裏切り藤浪を先発させても、普段通りの野球に徹した。「左右どちらが来てもいいオーダー」を用意し、5番に置いた松山が4回に先制適時打を放った。9回には丸のソロ、代打岩本の3ランと長打攻勢でダメを押した。
圧勝でファーストステージ突破に王手をかけた。米国時代、昨年の3Aリーグ優勝決定戦などプレーオフに何度も出場しているキラは言う。「この勝利でいい流れが来ると思うが、明日は明日で全力を尽くしたい」。足踏みせず、一気に駆け上がる。【高垣誠】



