<パCSファーストステージ:西武15-0ロッテ>◇第2戦◇13日◇西武ドーム

 西武の岡本洋介投手(28)が、CS初登板ながら6安打完封勝利をやってのけた。4年目右腕は、昨季まで未勝利。負ければシリーズ敗退となる崖っぷちの状況で大役を任されると、スライダーを効果的に使い、二塁も踏ませぬ好投で期待に応えた。

 西武ナインの評価は「いい人」「いいヤツ」。完封した岡本洋介のことだ。

 星も「いい人なんだけど、内角へ厳しいシュートをぶち込むんですよ」と証言した。その内角への制球で、ロッテ打線を黙らせた。プロ初めての完封を、CS第2戦という大舞台でやってのけた。

 緊張しやすいタイプでもある。星は「初回、顔を見て分かるほど緊張していましたね。それだけに、無死一塁を併殺で切り抜けたのがよかった」。昨年は2軍でバッテリーも組んだ間柄。下積みを、つぶさに見てきた。今春キャンプでも、カウントの取り方、アウトの取り方、いろんな相談を受け、話し合った。緊張を解きほぐすため、試合前に、あえて「重圧かけました。『負けたら、おしまいだよ』って」。緊張抜け切らぬうちのマウンドだったが、併殺を機に立ち直った。

 愛される男だ。南部(和歌山)-国士舘大-ヤマハ。全国的に名をとどろかすことはなかった。09年ドラフト6位。地道な努力はだれもが認めるところだ。石井投手コーチは、緊張しやすいメンタルを強化するため、心理学の本を勧めた。メジャーに渡った中島は、今年7月4日のプロ初勝利の翌日、本紙西武担当・久保に電話をかけた。「電話できるタイミングがないから『おめでとう』って伝えてくれないか。いろいろ苦労しているの知ってんねん」と、わがことのように喜んだという。崖っぷちの第2戦の先発を託されるのも、渡辺監督の信頼と愛情の証しだ。

 試合後は、「昨日は2人で緊張していました」と言う愛夫人(29)の運転する車で家路についた。「責任感の大きい人です。3月に娘が生まれて、さらに大きくなりました」と笑顔で話した。愛に満ちた「いい人」の勝利。西武に勢いをつけそうだ。【金子航】