<セCSファイナルステージ:巨人3-1広島>◇第3戦◇18日◇東京ドーム

 広島史上初のCSは、ファイナルステージ3連敗での幕切れとなった。1点差、3点差、2点差と善戦は演じたが、力の差は歴然だった。だが、バスへ乗り込む間際、野村謙二郎監督(47)には「ありがとう」「よくやったぞ!」と、ファンからのねぎらいの言葉が飛び交った。同監督も試合後のミーティングでは、選手たちを同じようにねぎらった。

 「毎年、たくさんの選手が入って、たくさんの退団者がある中、このチームで勝ちきったことを自信にしてほしい」。最終戦でも今季を象徴する攻撃を見せた。1回、先頭の丸が四球で出塁すると、菊池の犠打で1死二塁。3番梵が先制点を挙げる、理想の形だった。

 球団初のCS進出、そして、ファーストステージを勝ち抜いたという事実は、しっかりと球史に刻み込まれた。試合後、鈴木球団本部長も「いろんな選手を使いながらよくやってくれた。16年ぶりのAクラスになったわけだから」と指揮官をたたえた。

 野村監督は就任4年目にして初めて、シーズン終盤まで来季の進退の方向性が明確にならず。球団首脳は、「シーズン終盤の戦い方が判断材料になる」と基準を設定していた。9月以降はリーグトップの16勝9敗1分け。文句ない結果を残し、球団は続投を要請する方針を固めている。野村監督の意思を最大限に尊重する方針だが、試合後は「先のことは、まだまだ」と話すにとどめた。近日中に正式決定するとみられるが、ひとまず、広島フィーバーにも終止符が打たれた。