中日谷繁元信兼任監督(42)が日刊スポーツの独占インタビューに応じ、理想の監督像を語った。12球団最年少の監督となるが、2球団11人の監督のもとでプレーした経験を指揮官として生かす考えだ。また、自身の来季開幕スタメンについても「分からない」と明言。「捕手谷繁」も含め、選手全員を競争させてV奪還を目指す。【取材・構成=桝井聡】

 -選手と兼任で監督を引き受けた

 谷繁監督

 やったことないことだから、それに対してやらなきゃいけないと考えるとしんどい。ただ、就任の会見で言ったようにオーナーはじめ中日ドラゴンズというチームに望まれたっていうことが大きい。自分で無理と思うとそこですべてが止まってしまう。そういうことはしたくない。

 -周囲からは「谷繁監督」と呼ばれる

 谷繁監督

 立場的なこともあるし、慣れないといけない。選手は自分より年上というのは山本さんしかいないから、大丈夫だと思う。ただ、球団関係者やトレーナー、裏方で年上の方たちが僕に対して敬語で話されている。そこは慣れていかないといけない。

 -15日には落合GM、森ヘッドコーチと3者会談。コーチ人事や補強は

 谷繁監督

 もうこの時期だから、進んでないとおかしいでしょ(笑い)。少しずつはやってる。(編成については)まずは今いる選手が基本。そりゃそう。今いる選手がベースになるわけだから。

 -目指す監督像は

 谷繁監督

 これまで25年、11人の監督に仕えていろんな野球を見てきた。いろんな野球の進め方を間近で見てきた。やっぱり、監督の色っていうのがある。その人、その人の考えがあっていいと思う。俺が理想の監督は?

 と聞かれれば、すべて兼ね備えた監督と答える。

 -具体的には

 谷繁監督

 例えば見る力、決断力、我慢する力、コミュニケーション力。優しい心を持ってる。それでいて鬼の心もある。プロ野球ってツキとか運とか勢いとかで、シーズン乗り切れるというのはまず無理。だから瞬時の決断力であったり、選手、コーチとのしっかりしたコミュニケーションがないとダメだと思う。自分が考える監督に必要な力をすべて持つ。それが理想。

 -就任会見では「年齢は関係ない。チーム内で力がある人が試合に出る」と話した。開幕戦の捕手は

 谷繁監督

 そりゃ、分からない。ちゃんと自分が準備できて、その状態であるんであればあるだろうし、他のキャッチャーと比べてどうかを判断して決めると思う。

 -谷繁兼任監督のスタメン落ちも

 谷繁監督

 もちろん、あり得る。(監督目線で)見極めると思う。

 -19日から2日間、宮崎でフェニックスリーグに参加中の若手をチェック。期待の若手は

 谷繁監督

 個人の名前を挙げる時期じゃない。とにかく人のためじゃなく自分のために、何が足りなくて何が必要かを考えてやってほしい。

 -選手としては野村克也氏(元南海、西武)が持つ通算最多出場(3017試合)まであと117試合

 谷繁監督

 その数字にこだわりがあるというわけじゃない。ただ、現実的にそういう数字がある。気にしないということはない。ゼロではない。ただ、これまでも1試合、1試合の積み重ねでここまで経験を積んできた。そういう自分の形というかスタイルは変わらない。

 -来季の目標は

 谷繁監督

 変わらない。選手の時もそうだけど、いつも優勝したいと思ってやってきた。