ソフトバンク内川聖一外野手(31)が、新しい“相棒”とともにレジェンドの仲間入りを果たす。ベストナインに3年連続5度目の選出となった21日、バットを改良したことを明かした。来季、7年連続打率3割達成なら史上8人目。日本時代のイチローや、青バットの大下弘ら伝説の打者に新バットを携えて並ぶつもりだ。

 希代のヒットメーカーの向上心は尽きない。内川はベストナイン選出を受けて秋季キャンプ地の宮崎で会見。「今季は本塁打(19)打点(92)とも自己最多だが、チームが4位の悔しさがある。数字ほどの充実感が残っていない。まだまだできる、やらなきゃという気持ちがある」。打率は6年連続3割をマークしたが満足していない。

 まずはバットの改良に着手した。シーズン終了後、オフを利用して愛知・豊川市のバット工場を数年ぶりに訪問。改良型を発注した。重さ900グラム、長さ34インチは変わらないが、グリップ部分をやや太くし、ヘッドの先を水平に変更。既に今秋季キャンプから打っている。

 「詰まっても打球が内野の頭を越えるように。安心感があることで、怖がらずに振れる。本塁打が増えたから打率が下がったということにならないように。全部が相乗効果で上がってくれたら。キャンプでは違和感なく打てている」

 7年連続打率3割をマークした打者には王貞治、張本勲らレジェンドがずらり。右打者で達成なら落合博満と並ぶ最多。「自分の中で3割を基準にしていない。打てるならもっと打ちたい」と意欲的だ。

 シーズン198安打の長谷川の存在も刺激になる。「数字で競い合えれば、チームのためにもなる。それがタイトルにもつながればいい。来年はチーム全員で日本一を取るんだという気持ちで、チームのためになるプレーをしたい」。新たな“相棒”とともに安打を量産する。【大池和幸】