日本ハムの守護神・武田久投手(35)が「条件付き」ながら、来季限りで引退も視野に入れていることを表明した。28日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に出席。2年契約2年目のため現状維持、推定年俸2億4000万円プラス出来高で更改した。不本意だった今季を見つめ、来季は選手生命を懸けたノルマを課した。「このポジションが出来なくなったら、やめる」。抑えの座を失うようなことがあれば、引退も辞さない決意を明かした。

 まゆをピクリともせず自らを切り捨てた。ふがいなさは数字が物語っていた。今季は登板47試合で31セーブ、防御率2・28を残した。06年から7年続いていた連続50試合以上の出場記録は途切れ、ストッパーとしての役割を全う出来なかった。ケガにも泣いた。開幕直後の4月に腹直筋炎症、6月に右肘の張りで戦線離脱し不本意な1年になった。「今のままじゃ本当にこの先の野球人生はない」。悔いを残したからこそ、強烈な目標で奮い立たせた。

 V奪回への強い思いから、球団側にもの申した。優勝への熱意をぶつけた。今季のチームの問題点や若手成長への持論を展開。約1時間15分に渡って熱弁を振るった。「当たり前のことだけれど、みんなで同じ方向を向いてやる」。チーム全体の目標をあらためて確認し、一層覚悟は増した。「輪の中心にいることを、本当に目標でやっていきたい」。自らのプライドと進退を懸けて来季へ挑む。【田中彩友美】