虎の歴史を変えろ!

 阪神和田豊監督(51)が頼もしい「金の卵」に思わずニヤリとした。9日、大阪市内のホテルで行われた新人選手の入団発表会に出席、初のタテジマ姿で硬い表情だった6人に次々と声を掛け、緊張を和らげた。特に気になったのは自ら左手で引き当てたドラフト1位・岩貞祐太投手(22=横浜商大)だ。歴代の背番号17が、あまり活躍できていないことにも、どこ吹く風。「塗り替えればね。バランス的には合うんじゃない、あの体と。若い投手の中に入っても勝負できるものがある」と即戦力左腕の立ち姿に目を細めていた。

 ベテランの多いチームは間もなく転換期を迎える。「レギュラーは年齢もいってますので若手の成長が一番の課題。十分に入ってこれる力はある」。指揮官としては1人でも多く戦力になってほしい。そこをあえて、将来のために「焦るな」を連呼した。「まずは絶対に焦らないこと。プロの体は1年間戦わないといけない。故障が一番怖い。絶対に焦らないこと」と、急がば回れ、を説いていた。

 ◆阪神背番号「17」の日本人投手

 12年から今季までの伊藤和雄は、来季から育成契約に降格。ローテ投手だった杉山直久は09年に18番から変えた途端、その後3年間0勝で退団。「17」で日本人投手が白星を挙げたのは、99年に西武から移籍した杉山賢人が2勝したのが最後。生え抜きの勝利は98年山村宏樹1勝までさかのぼる。87年入団し「17」をつけた猪俣隆も、93年11勝したのは「25」に変更後。82年入団の源五郎丸洋は故障のため1軍登板なしで引退。シーズン2桁勝利を挙げたのは、1リーグ時代46年の渡辺誠太郎10勝のみ。また外国人投手を含めると、05年ブラウンが4勝したのが最後の「17白星」だ。