俺が巨人を倒す-。阪神ランディ・メッセンジャー投手(32)が29日、関西国際空港着の航空便で来日した。2年総額5億円の契約で残留した助っ人右腕は、5年目のシーズンに向けて口を開いた。

 「とにかくタイガースが自分に対していい環境を提供してくれましたし(残留は)そんなに難しい決断ではなかった。(アメリカでは)大学生相手に打撃投手も2度ほどやってきた」

 来日前に打撃投手に登板するなど万全の調整をしてきたようだ。ただ、昨季、チーム最多の12勝を挙げた右腕は当然、開幕投手候補だが、それを問われると自嘲気味に笑った。

 「開幕は巨人ですよね。わかる人はわかるでしょう?

 去年、巨人戦(先発)は0だった。なんで?

 わかりません」

 昨季巨人戦登板は7月17日にリリーフ登板して、2死しか取れずに5安打5失点した試合のみ。先発は0だった。相手打線との相性を考慮して能見、榎田の左腕2人を中心にしただけに自然な流れだが、メッセンジャー本人としては最大のライバル相手に投げたいという、抑えがたい衝動があるようだ。

 「見ているだけじゃ、つまらない」

 昨季はヤクルト、広島に7試合、DeNAには6試合で先発した。あえて、巨人との対戦を望むのはメッセンジャーの自信の裏返しと考えてもいいだろう。12年は巨人戦に6試合に先発して1勝2敗ながら防御率は2・15。11年も3試合に先発。決して苦手ではない。エース能見、2年目藤浪とともに、頼れる助っ人右腕が開幕G倒に強い意欲を示した。猛虎にとっては頼もしい限りだ。【鈴木忠平】