プロ野球の春季キャンプが1日、各地でスタートした。

 開幕投手は復活憲伸で決まり?

 谷繁体制誕生で異例の再契約を交わした中日川上憲伸投手(38)がキャンプ初日にいきなり熱投した。昨季は封印していたワインドアップ投法で、力感たっぷりに投げ込んだ。途中から捕手を座らせて、トータルで45球。森繁和ヘッドコーチ(59)も「今日1日だけなら最高。あれだけ投げられればな。開幕投手だよ」と上機嫌で、2月1日に開幕投手が“内定”してしまった。

 確かに1年前とは別人だ。昨季キャンプは初日から2軍で調整し、ブルペン投球でも状態が上がらない。古傷の右肩違和感の影響に苦しんだ。シーズン中はリハビリに時間を費やし、わずか1勝に終わった。オフには1度は戦力外通告を受け、ゴルファー転身も考えたほどだ。

 一転して開幕候補の位置づけに「近所の公園で練習してました」といたずらっぽく笑った。ナゴヤ球場にはほとんど姿を見せなかったが、復活に向けた「雲隠れトレ」の成果があったようだ。「まだボールは高めに浮いてるけどこれは仕方ない。キレのあるボールを低めに投げたい」。経験と勝負勘は屈指。自身7度目となる開幕投手だって、振りかぶった憲伸ならひょっとする。【桝井聡】