<オープン戦:広島2-2阪神>◇22日◇コザしんきん

 開幕1軍へまた前進!

 阪神のドラフト4位梅野隆太郎捕手(22=福岡大)が、オープン戦初戦となった広島戦(コザしんきんスタジアム)で攻守に猛アピールした。8番捕手で先発し、3回に二塁打を放ち同点へ勢いをつけると、課題の守りでも岩田、秋山を好リード。07年清水以来の新人捕手開幕1軍へ「梅ちゃん」の勢いが止まらない。

 オープニング・ゲームとなった新球場のマウンドには、大学時代からの親友広島大瀬良が立った。2回無失点の投球に湧き上がる大歓声。相手に傾いたムードを、梅野は一打で引き寄せた。

 「うまく打てた。左ピッチャーの入ってくる球を逆らわずに打つことを考えた。今までと違ったいい形で振れた」

 3回先頭で左腕篠田の134キロを振り抜いた。右中間に伸びたライナーはそのままフェンス下部のラバーにぶち当たった。悠々二塁に到達すると上本の適時打で同点のホームを踏んだ。

 定評のある打撃に加え、守備でも成長を感じさせた。丸、キラら主力を並べた広島打線にひるまず内角を攻めた。岩田、秋山と4イニングずつバッテリーを組み、4安打1失点。息が合わず首を振られる場面も多くあったが、先発捕手として試合を作った。山田バッテリーコーチは「ゲームの中でそれなりにできていた。落ち着いてはいなかったけれど、場数を踏んでいけば」と期待を寄せた。

 キャンプでは連日、カーブマシンに向かって捕球練習を繰り返してきた。「捕球の形というより、いい音を出す練習です」。投手への気配りで低めに落ちる球の捕球音を出せるようこだわった。和田監督は試合後「梅野はブルペンでみんなの球を受けて、必死に特徴をつかんでいるところ」と話した。

 先乗り自主トレからキャンプ地に入って28日。ブルペンで初顔合わせの先輩投手とコンビを組む毎日だった。少しでも投手との距離を縮めたい。宜野座での実戦後も夕方になるとマシンの球を捕った。地道な努力が実を結び始めた。

 「最後が悔しい。外野までもっていきたかった。甘い球を打ち損じた」

 初打席二塁打の喜びよりも無死満塁で遊飛に倒れた9回の打席を悔やんだ。キャンプ前にはかつて44番を背負った最強助っ人バース氏から激励を受けた。バース氏も1軍での活躍を期待した。07年清水以来の開幕1軍へ-。疲れ知らずの梅野がストイックに突っ走る。【松本航】

 ◆梅野隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年(平3)6月17日、福岡県生まれ。福岡工大城東では2年夏の県大会ベスト8が最高。福岡大では通算28本塁打。173センチ、80キロ。右投げ右打ち。

 ▼阪神の新人捕手が開幕1軍に入れば07年の清水誉(関学大)以来。開幕戦に出場すれば田淵幸一(法大)が69年4月12日大洋戦に代打で出場(三振)して以来。スタメン出場すればドラフト導入後チーム初となる。12球団では10年に巨人の市川友也(鷺宮製作所)、中日の松井雅人(上武大)が開幕1軍入り。新人捕手の開幕戦出場は西武炭谷銀仁朗(平安)が06年3月25日オリックス戦に先発して以来。セでは巨人の阿部慎之助(中大)が01年3月30日阪神戦で先発して以来。