<オープン戦:ヤクルト4-7楽天>◇22日◇浦添

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、いきなり“第1号”を放った。「4番一塁」で先発した楽天戦(浦添)の第2打席。楽天戸村が投じたやや外寄りの137キロ直球を軽く振り抜き、左中間席へ運んだ。60本塁打を放った昨季も初実戦で1発を放っていると知り「そうなればいいね。オネガイシマス!」とほおを緩めた。

 1試合で周囲の不安を吹き飛ばした。1月の逮捕騒動による調整遅れが心配されたが、焦ることなく今キャンプはフルメニューで終えた。近藤通訳は「落ち着いていますね。結果を出せたのが大きいのでは」と話す。この日はキレを増すべく左打ちでティー打撃をするなど、昨季のように自己流で試合に備えた。目を慣らすべく3打席目を志願し、左前打を放って交代した。前人未到の60本に到達した自信が、マイペースを貫ける余裕を生んでいた。

 初めての一塁守備はゴロを1球さばくなど無失策だった。「思うより緊張しなかった。内野は常に200%集中しないといけないけど疲れはない」と無難にこなした。今日の練習試合オリックス戦(浦添)も一塁で出場予定だ。今季の目標を「トリプルクラウン(3冠王)。ゴールデングラブ(賞)ちょっと危ない」と笑いつつ「状態は思うより良い感じだよ」。今年もバレンティンから目が離せそうにない。【浜本卓也】