開幕は誰にも譲らん!
中日大野雄大投手(25)が24日、日刊スポーツのインタビューで開幕投手への熱い思いを語った。オープン戦初戦となった22日オリックス戦(北谷)では開幕投手を任され、3回1安打無失点の堂々たる投球を披露。シーズンの開幕投手本命は自身初の栄誉を前に目をぎらつかせる。
-ここまでキャンプを振り返って
大野
23日のクール最終日にブルペンで少し投げて、トータルの球数は1300球ちょっとですね。目標は1800球なんで、ちょっと差し込まれてます(笑い)。まあ、球数だけじゃないですから。他の部分はすごく順調です。いい感じですね。体は…けが寸前です(笑い)。冗談です。キャンプはキツイものですからね。
-今キャンプからワインドアップに挑戦
大野
ここにきてやっとしっくりしてきた。途中まではもう止めようと思ってたんです。重心の位置とかバラバラだったんでアカンなと。22日の試合とかは投げてて違和感なかったんでこれでいくと思いました。
-きっかけは
大野
もともとはノーワインドアップだったんですけど、1回やってみたいと思っていた。そう思っていたときに去年のシーズン終わりに谷繁さんから「お前、振りかぶらないのか?」って言われたんです。やっぱり大きく見えたり、威圧感ですかね。まっすぐで押す投手なので武器になるということです。
-新球チェンジアップにも挑戦
大野
高校以来ですかね。緩急を求めていたんで、どうしてもチャレンジしたかった。まだまだです。22日も1球投げましたけど、ワンバウンドしてしまって…。ただ使えないというわけじゃない。これからも継続していきます。
-キャンプでは首脳陣からカミナリを落とされる場面もあった。厳しい“指導”を受けている
大野
厳しいですね。みなさん(笑い)。いい意味でも、悪い意味でも目立ってしまった。キャンプ中に近藤さん(投手コーチ)に呼ばれて「お前がそうやって言われるのは、期待されてるから。お前が左のエースにならないといけないから」と言われました。やっぱり自分がやらないといけない。そう思ってます。
-年明けから開幕投手を狙うと宣言
大野
公言することによって自分にすごくプレッシャーをかけられる。去年まではそんなことは言ってなかったですけど、年明けて吉見さんと自主トレするうちに自分がやらないといけないと思いました。特に吉見さんから何かを言われたわけじゃないんです。一緒にやっていく中で自分しかいない。やりたい。
-シーズン開幕戦となる3月28日広島戦(ナゴヤドーム)まであと約1カ月
大野
オープン戦は結果が大事。開幕投手にはこだわっていきたいし、自分しかいないと思っている。そのためにも結果を残さないといけない。広島の開幕はおそらく(同学年の)マエケン。マエケンだからということはないけど、大事な一戦で相手はエース級。すごくプレッシャーがかかると思うけど、その場面で投げたい。これからも自分の持ってるものをすべて出す。それだけですね。【取材・構成=桝井聡】
◆大野に落ちたカミナリ
2月6日にはゴロ捕球の緩慢な守備が森ヘッドコーチの逆鱗(げきりん)に触れ、ノックがスタート。捕手の防具を着ける完全装備で40分間ノックを受けた。人生初の防具姿に「2度とやりたくない。面を取っていいぞと言われたけど取ったらえらいことになる」とガックリ。20日にはキャッチボールの制球が定まらないなど、締まらない練習風景を森ヘッドから一喝されグラウンドで公開説教される場面もあった。
◆竜の開幕投手争い
エース吉見の復帰は6月になる見通しで大野とカブレラの両腕が有力候補。ただ、カブレラは9日のノック中に背中を痛め2軍調整するなど出遅れ気味。6度も開幕投手を経験している川上は「去年クビ(1度戦力外)になった僕みたいな選手が(開幕投手を)やりたいというのは変」と消極的だ。