ニュー西岡は奇襲あり、大技あり!

 キャンプ序盤に痛めた右肘も回復した阪神西岡剛内野手(29)が、今日25日の練習試合・韓国LG戦(宜野座)で今季初実戦に臨む。チーム打撃練習では一、二塁のケースで一塁手の後方に落とすプッシュバントを披露するなどくせ者ぶりを見せつけた。今季は長打を重視しながら、いやらしい小技も駆使するなど目が離せない。

 味方をも欺くトリッキーなプレーだった。西岡抜きの阪神打線は成り立たないと思わせる強烈な存在感だった。午後のチーム打撃。走者を一、二塁に置いて右打席に入ると一塁森田を揺さぶる。初球はバントの構えからバットを引く。2球目に強くプッシュバント。バント警戒で猛チャージしてくる森田をあざ笑うかのように、ライナーで頭上を越えていく。

 二塁手に処理されて進塁打にとどまったが、もし試合なら展開をガラリと変える奇襲だろう。西岡は言う。「1球目に(森田が)守っていて、プッシュしている僕の見逃し方を見たら(バント警戒と)分かる。一塁へのプッシュで頭上を狙える球が来たら強いライナーをね。強い当たりで(外野に)抜けていったら1点入る」。野手の心理を見抜いた頭脳プレーだった。

 「ライナーでいくとダブルプレー、トリプルプレーになるかもしれない。意表を突いたプレーではある。年1回、見せられたらいいのかな」

 もちろん、ノーバウンドで二塁手に捕られる危険性もはらむ。ギャンブル的な要素は強いが、キャンプだからこそトライできた。関川打撃コーチも「周りが見えている証拠。こういうときにやらないと、なかなかできない」と評した。敵をかく乱するのも大切な戦術だ。阪神では数少ないくせ者として輝きを放った。

 今年の西岡は、一筋縄ではいかない。小技だけでなく、09年に自己最多14本塁打を放ったパンチ力にも磨きをかける。前日23日の練習では76スイングで22本の柵越えを見せつけた。

 「ホームランバッターではないけど、去年より長打を、二塁打や三塁打を増やしたいですね。その延長の本塁打が出ればチームに勢いもつく。僕の仕事である底辺の部分を持ちながらレベルアップしたい」

 キャンプ序盤に右肘を負傷したが、すっかり回復。今日25日には韓国LG戦で初実戦に臨む。この日は朝に二塁の特守を行い「今年は鉄壁の二遊間と言われるように」とも意気込む。大技小技の打撃、安定感アップの守備…。14年の西岡剛をお披露目する。【酒井俊作】