巨人大田泰示外野手(23)が、“1発回答”で1軍昇格即スタメン起用に応えた。25日、韓国・サムスンとの練習試合に「1番中堅」で出場。8回の4打席目、右翼席後方の防球ネットに直撃する特大弾を放った。1回には12年の韓国リーグ最多勝で、昨年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表の張■三から左前打。2月の宮崎キャンプで指導を受けた松井臨時コーチの助言を結果で示した。
進化の片りんを感じさせる当たりだった。8回無死、大田は初球の真ん中高めの直球に踏み込み、右腰で押し込むようにバットを振り切った。快音を残し、舞い上がった打球は右翼席後方の防球ネットを直撃した。「(バットを)いい角度で出せた。あんなに飛んで、びっくりしています」。結果と内容が詰まった、推定飛距離120メートルの今季“1号”アーチだった。
韓国を代表する左腕からも、結果を出した。1回、張■三から左前打。「1番打者として、どうやっていくか」を考え、フルカウントからの変化球に必死に食らいついた。24日の朝に2軍の宮崎から沖縄入り。「死ぬ気でというか、ラストチャンスくらいのつもりじゃないと、いい結果は生まれないです」と悲壮な覚悟で臨んだ。
宮崎キャンプでは、13日まで臨時コーチを務めた松井氏からマンツーマンで指導も受けた。「(打撃の)メカニズムというか、どういう感じで打っているかを参考にしてみてはどうか」と助言を受け、関係者を通じ、ヤンキースのアレックス・ロドリゲスの打撃シーンを集めたDVDを入手。言葉の意味をしっかり理解した上で、プレーを自分なりに吸収した。
松井氏の「不動心」も、心に宿った。2回1死一、三塁の好機で初球を右翼にポップフライ。「その結果もしっかり受けとめて。次は悔いのないように」と切り替え、1発につなげた。守備では6回無死一塁、中飛で飛び出した一塁走者を刺せずに悪送球するなど、課題も残ったが、糧に変える強さをこのキャンプで培った。「明日も今日と同じ気持ちで打席に立って、その1試合に全てをかけるつもりでやる」。米国で教え子の活躍を楽しみにする松井氏に、結果でメッセージを届ける。【久保賢吾】※■はサンズイに亘<巨人大田の春先>
▼09年
松井以来の背番号55で入団。キャンプで東海大相模の先輩、原監督から打撃指導を受け、両手を意識的に使うフォームに改良。特打で24発を放つも、第4クールで2軍降格。
▼10年
キャンプで原監督から約1時間のマンツーマン指導を受けるも、実戦で3試合連続失策、16打席連続無安打と結果を残せず2軍落ち。
▼11年
キャンプ直前にインフルエンザで2軍に降格も、第2クールから1軍昇格。原監督がトスを上げる3年連続の指導を受け、練習試合で初本塁打。
▼12年
外野手に転向。オープン戦で初本塁打を放ち、原監督とグータッチ。打率8分6厘ながら矢野の故障で初の開幕1軍入り。
▼13年
キャンプで発熱、右足の張りを訴える。原監督から約20分間「コンディションをつくるのは本人のプロとしての最低限の役割」と説教される。



