満点締め!

 広島ドラフト1位の大瀬良大地投手(22=九州共立大)ら新人4選手が2日、チームより1日早くキャンプを打ち上げた。今日3日に東京で行われる日本プロ野球機構の新人選手研修会に参加するため、練習後に空路で東京移動。即戦力の実力を発揮した大瀬良は初キャンプを「90とか100点」と自己採点した。

 大瀬良は笑みさえ浮かべながら、意外な点数を口にした。初キャンプの総括を問われ「90とか100点ですね」と自己採点。自分に厳しい男がつけた満点評価に充実感がにじみ出た。

 最終日はブルペンでキャンプ自己最多の131球を投じた。実戦で緩いボールの制球に不満を感じたこともあり、チェンジアップやカーブを多めに投球。「上体が早く開く傾向があるので、その修正も兼ねました」。課題を体に染み込ませ、キャンプを打ち上げた。

 「真っすぐをしっかりコースに投げられれば大丈夫かな。逆に甘くなると、前の試合みたいに打たれてしまう。あとは緩急でカウントを取れるようにしたい」

 デビュー戦となった2月22日阪神戦は2回無失点ながら浮き球が目立って「10点」と自己採点。28日の韓国・KIA戦は力みから3回4失点と打ち込まれ「30~40点ぐらい」。それでもキャンプ全体を振り返れば、プラス要素が詰まっている。「大学時代より多く投げ込めたし、走り込みも自分に厳しくできた」と納得顔だ。

 1カ月間で完璧にカープの一員となった。何度となくエース前田ら先輩から食事に誘われ、リラックスタイムも共有。部屋に集合してゲーム「実況パワフルプロ野球2013」を楽しむことも多く、前田とは通算2勝2敗の五分だと言う。「全セと全パで戦うんです。僕が全セの時はマエケンさんを先発させて、打ちづらくして。マエケンさんはゲームでもすごいですよ」とニッコリ。過ごしやすい環境も作り上げ、あとは実績を積み重ねていくだけだ。

 前日1日にはキャンプ地を訪れた九州共立大時代の恩師・仲里清監督と久々に再会。「おまえらしいボールを投げられれば大丈夫」と温かい言葉をもらった。「自信は…、あると言えばあるけど、しっかり結果を出して、大瀬良は1軍だと思ってもらえるようにしていきたい」。己の力を信じる。覚悟を決め、沖縄から飛び立った。【佐井陽介】