<楽天6-1西武>◇24日◇東京ドーム

 楽天が岡島豪郎外野手(24)の活躍で西武に快勝した。初回に先頭打者アーチを右翼席に運ぶと、8回には中前適時打でダメ押しの6点目をたたき出した。頼れるリードオフマンが勢いづけた打線は12安打を放って、2年目左腕・森雄大投手(19)のプロ初白星を後押しした。年に1度の東京ドームでの主催試合で、2カード連続の勝ち越しを決めて貯金を1とした。

 いつもとホームグラウンドの景色が違う。緊張感が漂うベンチを、リードオフマン岡島がいきなり「お祭りムード」に変えてみせた。初回。カウント0-1からの2球目、内角高めの直球を迷わずフルスイングした。「少しこすった感じ」という物足りない手応えとは裏腹に、打球はグングン伸び、右翼席へ吸い込まれた。この日は年に1度の東京ドームでの主催試合。打球が最も飛びやすいと言われる球場での1発に「まさか入るとは思わなかった。“ドームラン”でしょう」と、笑った。

 この先頭打者弾がチームを勢いづけた。この回、ユーキリスにも適時打が出て2点を先制。2回にも1点を追加すると、3回には枡田の2戦連続アーチも飛び出し、序盤で5点を先制した。2年目左腕・森のプロ初勝利がかかった試合。岡島は「森に勝たせてあげたいという雰囲気がベンチにあった」と、チーム一丸の攻撃を振り返った。

 岡島は最初のひと振りだけでは終わらなかった。先頭打者弾の直後、球団広報を通じて「次からはコツコツといきます。僕はホームランバッターではないので」とコメントした。この言葉を、4回以降、追加点が奪えないまま迎えた8回の第5打席で証明してみせた。1死満塁の好機で、甘い直球をコンパクトに捉えた。教科書通りのセンター返しで、ダメ押しの6点目をたたき出した。

 開幕から苦しみ抜いた森に白星をプレゼントするため、打線は12安打で援護。小山伸、青山ら中継ぎ投手陣も、無失点リレーで西武の反撃を封じ込めた。2カード連続の勝ち越しで、貯金も1となった。ベンチでは終始厳しい表情だった星野監督も「みんなで勝ち取った勝利だな」と、試合後は満面の笑みを浮かべた。【広瀬雷太】