<DeNA8-4阪神>◇27日◇横浜
虎のドラフト4位ルーキー梅野隆太郎捕手(22)がメモリアルアーチや!
9回2死で迎えた打席で、プロ1号を左中間スタンドに運び去った。阪神の新人捕手が4月に本塁打を放ったのは、田淵以来45年ぶり2人目の快挙。試合には負けたけれど、今年の虎はただでは転ばない。29日から本拠地甲子園で広島との首位攻防戦へ打線の勢いはキープしたままだ。
点差が開いた敗戦も、ルーキー梅野が輝いた。5点ビハインドの9回2死走者なし。初球からフルスイングした。DeNA三上の外角への直球をすくい上げた。打球は高々と上がった。行方も見ず、走る速度を上げた。黄色く染まった左中間スタンドから大歓声が湧いた。プロ1号だ。初めてのダイヤモンド1周は、全力疾走で駆け抜けていた。
梅野
入るとは思っていなかった。必死に走っていたら、歓声が聞こえて気づきました。
プロの厳しさに打ちのめされた悔しさを糧にした。2日前の1打席が忘れられない。25日DeNA戦の9回1死満塁で代打出場。1球目を見逃しストライク。その後、追い込まれ空振り三振を喫していた。代打で立った10打席で5打席が三振。数少ないチャンスに慎重になり、自分のスイングを見失っていた。プロ初のフル出場となった23日も2度の満塁機で打席に立っていた。いずれもファーストストライクを見逃し、その後凡退。1球の重要性は身をもって経験していた。
梅野
自分の良さは思い切りなのに、小さくなっていた。これからはどんどん初球から振っていこうと思います。
ファーストストライクのカベを打ち破った先には、快挙が待っていた。虎の新人捕手が4月に本塁打を放ったのは、69年田淵以来45年ぶりだ。試合に負けはしたが、梅野に本来の豪快スイングが戻り、和田監督も「風もあったけど、梅野らしいというかね。最近は初球から思い切りのいいスイングができていなかったけど、この1発で変わってくれると思う」と目を細めた。ベテラン藤井が右足甲を負傷し戦列を離れただけに、梅野にかかる期待も大きい。苦しんだ新人捕手が「らしさ」を取り戻したのは、敗戦の中で何よりの光明だった。
記念のホームランボールは手もとに戻ってきた。「初安打のボールもまだ実家に送ってないので、一緒に送ろうと思います」。梅野の宝物が、また1つ増えた。目指すのはバットでもチームをリードする「打てる捕手」。これからは勝ち星という宝物を積み重ねていく。【宮崎えり子】
◆梅野隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年(平3)6月17日、福岡県生まれ。福岡工大城東では2年夏の県大会ベスト8が最高。福岡大4年で大学日本代表に選出。主将を務め、4番打者も任された。遠投115メートル。173センチ、80キロ。右投げ右打ち。



