<阪神8-4広島>◇4月30日◇甲子園
強すぎてゴメン、打ちすぎてゴメス!
虎は甲子園10連勝で貯金を今季最多9とし、コイの背中に吸いついた。2回の今季最多ウル虎7得点で勝負あり。猛攻を仕上げたのは4番マウロ・ゴメス内野手(29)の豪快3ランだ。4月29打点でマートンに並び、通算33打点でリーグトップのうなぎ上り。月は変わるけど、今日11連勝で奪首は間違いない。だってだって、打点王がいるんだもん!
「よっ、大統領!」と叫びたくなる千両役者ぶりだった。またもゴメスのバットが猛火を噴いた。2回は4点を刻み、なおも2死一、三塁だ。じっくり好球を待つ。野村の5球目。外角チェンジアップをとらえると、ライナーでバックスクリーン左へと突き刺さった。
「来た球を積極的にいこうとした結果さ。チェンジアップが甘く真ん中に入ってきたからね。最近、よく球が見えてきている」
4番の4号3ランで、今季最多の1イニング7得点を完成させた。最近3発はいずれも対戦2度目の投手からで、順応力の高さを示す。今季のチーム171得点は12球団でダントツ。強力打線の象徴的な存在になっている。
母国ドミニカ共和国でも野球を思い続ける夜を過ごした。昨年11月頃、阪神入りを決意したゴメスは首都サントドミンゴにいた。ウインターリーグでのプレー後、中日ルナとレストランに向かった。昨季から日本でプレーする先輩に「日本はどんな感じ?」と問うた。打率3割5分の好成績を残したルナは言う。
「米国は真っすぐ勝負だけど、日本は緩い球を交えて配球やコースにきっちり投げてくる。投手のレベルは高いからタイミングをきっちり取るのが大切だよ」
おぼろげなイメージであっても、まだ見ぬ野球への心構えができた。テーブルにはドミニカのポピュラーなビール「Presidente」の瓶が並ぶ。スペイン語で「大統領」を意味するビールは、勇ましく景気づけの味がしただろう。
故郷の仲間こそ、発奮材料だ。前日4月29日。甲子園の室内練習場で広島ロサリオと談笑。「いいスタートを切れている。日本で長くやりたい」と誓い合った。この日は3打点を挙げ、今季33打点は同僚マートンを抜いて、リーグトップに立った。
「4、5番で打点を挙げているのはチーム状態がいいということ。まだ首位じゃない。1試合1試合、全力で戦うだけ」。甲子園では優勝した03年以来の10連勝。まだ春先だ。酔いしれる夜はこれからたくさんある。【酒井俊作】
▼阪神が9日DeNA戦から甲子園で10連勝。03年5月17日~6月5日に並ぶ史上2度目の球団記録となった。同年は甲子園で46勝15敗、勝率7割5分4厘と圧倒的強さで18年ぶりに優勝した。
▼阪神ゴメスが33打点で打点トップに立った。阪神の外国人選手で4月末に打点トップは05年シーツ(22打点)以来、9年ぶり。4月末での33打点は虎の助っ人では最多。阪神の助っ人で打点王に輝いたのは85、86年のバースだけで、ゴメスが打点王になれば27年ぶり2人目、来日1年目では初の快挙となる。



