<楽天2-3ロッテ>◇4月30日◇コボスタ宮城
雨にも負けず-。ロッテ西野勇士投手(23)が土砂降りの雨の中、8セーブ目を挙げた。3-2の9回に登板し、1死を取って次打者に1球を投げた後、13分間中断した。心身共に過酷な条件の中、再開後も無失点に抑え、チームに6連勝をもたらした。ルイス・クルーズ内野手(30)の勝ち越し弾による1点を守り、開幕からの無失点投球を継続した。
新米守護神の西野にとっては、今まで経験したことのないマウンドだった。地面を大粒の雨がたたく。土で埋めたはずの場所に、すぐ水が浮いてきた。「スパイクの裏には泥がついてしまって、投げづらかったです」。いつもの歩幅を取ろうとすると、軸足が滑ってしまう。無意識のうちに歩幅が狭くなり、直球は浮いた。それでも、147キロの球威が大きな武器になった。
1死を奪い、続く嶋に1ボールとなったところで雨脚が強まり中断となった。このまま試合が終われば、9回表のクルーズの勝ち越し弾は幻となり、引き分けになってしまうところだった。「1ボールからだったんで…」と初めは戸惑った西野だが、気持ちを切り替えて、中断後のマウンドへ向かった。
過酷な天候と中断。ここまで12試合に登板し、12回連続無失点の西野といえども、難しい登板。再開後、嶋へのカウントは3-1となった。そこから投じた高めの144キロ。嶋のバットは止まりきらずハーフスイングのストライクとなった。「あのハーフスイングをとってくれて楽になった」。そこからは強気の直球で押し込むだけだった。
肩は20球ほどでできる。切れ味鋭いフォークには、常に工夫をこらし、縫い目に指をかけることで、左打者から逃げるように落ちる軌道を会得した。思い切りの良さと明晰(めいせき)な頭脳は、昨オフ、運転免許を取得した際、筆記試験で98点を取り、一発合格したことでも分かる。守護神としてのポテンシャルの高さが、この日の試合で生きた。
チームは6連勝と波に乗る。昨年、2勝しかできなかった仙台で2戦2勝。その最後を締めるのは西野だ。だが、投手陣最年少の若者は腰が低い。球場から引き揚げる時、先輩を待たせているバスに、小走りで、頭を下げながら、乗り込んだ。【竹内智信】
▼ロッテは6試合連続で2失点以下と投手陣が踏ん張っている。6試合連続2失点以下は今季のオリックス(7試合)やソフトバンク(6試合)も記録しているが、ロッテでは92年6月19~27日(7試合)以来22年ぶり。



