<阪神8-4広島>◇4月30日◇甲子園

 30回もホームベースを踏んだ。阪神鳥谷敬内野手(32)の4月は記録的な生還マンスリーだった。2回の猛攻で2点右前適時打の後、4番ゴメスのホームランで本塁にかえってきた。月間30得点。球団記録を更新した。

 「チャンスだったので、どんなかたちでもかえせばという感じだった。ラッキーな当たりだったけど、つながってよかった」

 2回の打席は2死満塁だった。広島野村の内角高めへの136キロの真っすぐをフルスイング。打ち上がった打球は右前に落ちた。二塁走者の上本までかえり、2点を追加した。かえす方もぬかりない。打点はこれで16だ。

 開幕から数試合、4月序盤までは打撃の調子が上がらずにいた。そんな中でも四球を選ぶなど攻撃をつなげてきた。後ろにはゴメス、マートンが並ぶ。好調の助っ人2人が鳥谷をかえす。そうして積み上げた30得点だった。打撃不振もあっという間に過ぎ去った。現在、リーグトップタイの39安打で出塁率4割7分はリーグ断トツ。3番打者として攻撃の支柱だ。

 「相手がどう思おうと、しっかりつないでいくだけ」。つなぐ意識は、相手がどこでも変わらない。「4月とか関係なく、また戦っていくだけです」。5月からもキャプテン鳥谷が本塁をドカドカ踏む。【宮崎えり子】

 ▼鳥谷が阪神の選手として初めて月間30得点を記録した。球団記録は50年4月藤村富美男の27得点。プロ野球記録は64年5月の広瀬叔功(南海)と昨年8月の村田修一(巨人)の32得点。4月に限定すれば80年の福本豊(阪急)と藤村の27得点が最多で、鳥谷の30得点はプロ野球記録。