<ソフトバンク8-3巨人>◇3日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク松田宣浩内野手(31)のV打の陰に、勝利へ近づく後退があった。同点の6回1死一、三塁。巨人香月を攻略する作戦は簡単だった。

 「相手はシュート、スライダーの投手。バレバレでもいいからベースから離れた。詰まらないことを意識した」

 5月末から打席の立ち位置を1歩分下げた。「離れている分、インコース寄りの空間に懐を持てる」。それを手の内がバレてもシュートを警戒し、さらに後退させた。

 カウント2-1。その懐へ飛び込んだシュートを引っ張り、自身7試合ぶりの適時打が三遊間を破った。松田が着火した打線はここから5連打。細川が負傷交代した打席での明石、続く吉村と代打陣もつなぎ、一挙6点で4試合ぶりの勝利を決めた。それでも松田は「同じようなところで凡打が多く、自分が打っていたらチーム成績が変わっていたと思う」と控えめ。その間の貢献度の低さから素直に喜んでいられなかった。

 4戦連続で先制を許し、おまけに3戦連続で初回に先制される中、反発力に欠けていた打線が息を吹き返すきっかけになるかもしれない。

 秋山監督は「2回に同点に追いついたのが大きい。取れるところでちゃんと取れ、大量点になったね」とひと安心。「後退打法」の松田はここ2試合で猛打賞とマルチ安打。復調気配のポイントゲッターでチームも浮上したいところだ。【押谷謙爾】