＜日本ハム７－６ヤクルト＞◇１４日◇札幌ドーム

　ヤクルト岩村明憲内野手（３５）が１試合４二塁打のプロ野球タイ記録で“バレンティンショック”を振り払った。７番一塁で先発。２回に今季初の適時打となる先制２点適時打を放つと、その後の３打席でも広角に二塁打を打ち分けた。２打点を挙げたが投手陣が踏ん張れず２連敗。「勝たなきゃ意味がない」と喜びは控えめだった。

　試合前、チームには「主砲離脱」の衝撃が走っていた。畠山に続き、打線の軸がまたもや抜けた。非常事態にも、岩村は「やるしかないでしょ」と、冷静につぶやいた。疲労が出始める時期を想定し、バットを約１０グラム軽くした。百戦錬磨のベテランは、来るべき出番に備えていた。

　４番に入った飯原も４安打と、「代役４番」候補２人で８安打と期待に応えた。それでも岩村は「誰も代役とは思っていない。自分の味を出す。その積み重ねを継続するだけ」と力を込めた。バレンティンが戻る日まで、一丸で乗り切ると強調した。【浜本卓也】

　▼１試合４二塁打のプロ野球タイ記録＝岩村（ヤクルト）

　１４日の日本ハム３回戦（札幌ドーム）で記録。１０年糸井（日本ハム）以来１１人目で、セ・リーグでは５１年藤井（大洋）７９年基（大洋）８１年渡辺（ヤクルト）に次いで３３年ぶり４人目。４打席連続で記録したのは糸井以来７人目（セ３人、パ４人）。