<巨人5-6オリックス>◇18日◇東京ドーム

 巨人の連勝が7で止まった。交流戦1、2位の直接対決にふさわしいシーソーゲームになったが、中盤の要所で失策と与四死球が重なり、オリックスに及ばなかった。2年ぶりの交流戦Vは、最短で21日に持ち越し。同じく自力Vの可能性を残すソフトバンクとの直接対決で、仕切り直しだ。

 セ・パの首位同士がしのぎ合えば、決着に4時間48分を要するのも無理なかった。会見場に現れた原辰徳監督(55)の顔は紅潮していた。「最後まで集中を切らさないで戦ったんだが。明日、明後日と試合が空く。最初から、そのつもりでいったんだが」と、想定内の総力戦で届かなかった1勝をまとめた。

 3度も追い付いた。難攻不落のオリックス金子から3回、坂本が特大ソロ。5回には亀井が適時二塁打。6回1死、高橋由が左翼フェンス直撃の二塁打。ここで合計9安打とし、絶対エースを降板させ、代打セペダの3ランで三たび同点とした。原監督も攻撃的だった。3回2死二、三塁、打者糸井の場面でマウンドへ駆けた。「ゲームを左右する場面だ。『攻撃的にいこう!』」とインコース攻めを命じ、バッテリーは遂行した。揺れ動く主導権をたぐり寄せつつあった中盤、中継ぎが踏ん張りきれなかった。

 6回。今村が送りバントの処理を焦り、三塁へ悪送球。7回は久保が押し出しの死球。ともに痛恨の失点だった。原監督は「糧とすればいい。が、四球から、バント処理のミス。練習不足ということだろう」と、若き左腕にあえて注文を出した。成長株の今村にしてみれば、ヒリヒリする場面の経験はそのまま肥やしになる。秋に再びぶつかる可能性が十分にあるオリックスに、いい借りができた。

 分かりやすい展開になった。21日からのソフトバンク戦に1つでも勝てば、交流戦の優勝が決まる。「終わったばかり。今はそこまで、頭はいってないね」と原監督。打線の上げ潮は明らか。本拠地で、堂々と決める。【宮下敬至】

 ◆交流戦優勝の行方

 優勝の可能性を残すのは巨人、オリックス、ソフトバンクで、巨人の最短Vは21日に延びた。巨人が21日ソフトバンク戦○なら他球団の勝敗に関係なく優勝決定。他に21日Vの条件は、巨人が21日△の場合は、オリックスが21日ヤクルト戦△か●、ソフトバンクが19、20日ヤクルト戦○○以外。巨人が21日●の場合は、オリックスが21日●、ソフトバンクが19、20日●●か△●。