<中日5-8ロッテ>◇21日◇ナゴヤドーム

 竜が“飛ぶボール”で飛ばされ負けた。「燃竜(もえドラ)ANAゲーム」と銘打ち、スポンサーの全日空のロゴ入り球を使用したロッテ戦。だが14安打で8得点の相手に、12安打で5点と打ち負けた。宙を飛んだ本塁打もロッテの2発に対してエルナンデスの1発だけだった。日本野球機構(NPB)の認可も受け、実際の反発係数は通常球と同じ。だが球団が「チーム上昇の願いも込めた」珍企画で何とも皮肉な敗戦だ。

 谷繁兼任監督

 交流戦の途中から、先発が早い回で大量失点するケースが多い。しなかったのは大野の2試合ぐらいで、追いかける展開になっているんで…。

 左太もも裏痛の再発から4試合ぶりにスタメン復帰した指揮官も厳しい表情だった。大野以外の先発がヘバリ気味の状態が改善されず、雄太がサブローに先制2ランを浴びるなど4回5失点KO。打線は藤井の2点三塁打などで1点差まで迫ったが、5失点は重すぎた。そして8回、福谷がブラゼルに2ランを被弾。好調セットアッパーの19試合ぶり失点で勝敗は決した。

 負の連鎖も続く。燃竜の青のサードユニホーム着用試合は4敗1分け。赤で2勝5敗だった昨年から1分けをはさんで6連敗だ。観衆は今季最多の3万8026人。だが5割で再開リーグ戦に臨める可能性も消え、青いため息が渦巻いた。“飛ぶボール”を用いても燃竜は不完全燃焼。谷繁監督は「粘り強くやっていく」と懸命に前を向いた。今日の交流戦ラストは意地でも飾りたい。【松井清員】