<ソフトバンク7-0ロッテ>◇3日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが選手会長離脱の緊急事態を全員でカバーした。不動の三塁手松田宣浩内野手(31)が右手人さし指末節骨折で出場選手登録を抹消された。全治6週間。そんな暗い雰囲気を柳田悠岐外野手(25)が140メートルの特大10号ソロで払拭(ふっしょく)。打線もつながりロッテに快勝し連勝した。

 自分でも見とれてしまうほどの弾道だった。「(打球を)拝んでました。気持ちよくてバットを放すのを忘れてました」。6回、ロッテ上野の高めフォークを柳田は豪快にすくい上げた。振り戻したバットを持ったまま見送った打球は、バックスクリーン右の上段にある入場口左横にまで届いた。

 「今年1番ですね。松田さんがいなくなった分、チーム一丸となってという思いが強くなった」。試合前に球場を後にする松田から「頑張れよ」と声をかけられた。普段はともに天然系と言われる明るいキャラクター同士だが、この日はその一言で松田の無念さを感じ取るには十分だった。

 秋山監督が「本塁打が効いたな」という、この日の10号ソロの飛距離は推定140メートル。6月28日西武戦で放った9号ソロも西武ドームの屋根をすり抜ける140メートル「場外弾」だった。2発続けて自己最長飛距離をマーク。日本人離れのパワーを存分に発揮している。

 前日2日まで「カチドキレッド」を着用して2試合無安打。3戦目のこの日、ユニホームに合わせてつくった赤い手袋から白い手袋に戻した。「皮が硬く(バットを)握る感覚が違った」と、フルスイング男は繊細な部分も大事にする。

 試合前には球宴の監督推薦が発表され、五十嵐、サファテと並んでの記者会見。うれしさで笑みを抑えられないほどだった。「スター選手がそろうお祭りというイメージ。(日本ハム)中田翔に本塁打とか打撃のことを聞きたい。ヘルメットが飛んでもいいくらい思い切りバットを振って楽しみたい」と待ち切れない様子だった。

 今季柳田はここまで全72試合に出場しチームトップの打率3割3分2厘。10本、44打点。シーズン残り半分どれだけ数字が伸びるか、どれだけ成長するか楽しみだ。【石橋隆雄】