<阪神3-2巨人>◇22日◇甲子園

 阪神金田和之投手(23)が“大リーグボール1号”でプロ3勝目を手にした。延長12回1死一塁の場面、6番手で登板。犠打を試みた打者井端への1球目は顔面付近へボール球になった。懸命にバットに当てた井端だったが結果は投ゴロ併殺になり、へたり込んでしまった。まさに劇画「巨人の星」で、主人公・星飛雄馬がバットに当ててアウトを取る魔球「大リーグボール1号」を現実にした格好だ。

 その裏に福留のサヨナラ弾が出て、わずか1球でうれしいプロ3勝目をマークした。阪神で「1球勝利」となるのは00年8月3日・中日戦の葛西以来、3人目だ。

 「あれは高めを狙ったのではなくて、シュートが抜けてしまった。危なかったですね」。そう恐縮した金田だが、気持ちは燃えていた。

 「1点取られてはいけない場面だったし、なんとか無得点で終えて攻撃につなげなければと思って投げました。(白星は)つないでくれた投手陣と孝介さんのおかげです」

 金田はプロ初勝利は6球で挙げている。6月17日の日本ハム戦(甲子園)でも延長12回2死無走者で登板し、大引を6球で三ゴロに打ち取った後、マートンのサヨナラ打で初勝利を手にしている。

 ▼1球勝利=金田(阪神)

 22日の巨人14回戦(甲子園)で記録。6月15日土田(巨人)以来プロ野球36人目(セ19人目)。阪神では93年10月21日弓長、00年8月3日葛西に次いで3人目。