<西武2-1楽天>◇23日◇西武ドーム

 西武がチーム新記録となる月間5度目のサヨナラ劇を演じた。1-1で迎えた9回2死満塁から、浅村栄斗内野手(23)が右中間へ殊勲打を放った。6月に左ひざを痛め、1カ月以上2軍で調整を強いられた昨年の打点王が、復帰5戦目、11打席目での初安打が、後半戦初カード勝ち越しと4位浮上を呼んだ。

 サヨナラの打球が右中間を抜けるのを確認すると、西武浅村は一、二塁間で歓喜のジャンプをした。1-1で迎えた9回2死満塁。カウント2-2からの5球目、外角低めの150キロをはじき返した。浅村にとっては単なる安打ではなかった。「チームにとっても大きいけど、僕にとっても大きかった」と、振り返る一打となった。

 左ひざを痛め6月5日に登録を抹消された。その時は回復までに長時間かかるとは考えていなかった。結局、復帰できたのは7月15日。1カ月と10日もかかった。「その間テレビで試合を見ていたんですが、僕がいなくなってからチームが勝ちだして…」と焦りを抱えていた。

 90キロまで体重が増えたことが、ひざに負担をかけていたことも一因と考え、2キロ減らした。炭水化物を減らして野菜を多く取るなど食事を改善した。「ひざは大丈夫になったけど、ヒットが出なくて不安があった。自信を持ってプレーできなかった」と正直に言う。

 昨年の打点王が追い込まれていた。7月15日に復帰してから3試合は代打。前夜からスタメンに復帰したが、サヨナラ打まで10打席無安打だった。しかも6回の第3打席は無死満塁のチャンスで三振に倒れた。「それは引きずっていなかったけど、ここで打つしかないと思った」。その思いが9回にはじけた。

 前夜の中村の殊勲打に続き、主軸の一打による連勝劇。田辺監督代行は「大きいね。ケガに苦しんでいた2人が打って勝ったのは」と会心の笑顔を見せた。投打とも戦力は回復しつつある。【矢後洋一】

 ▼西武が今月5度目のサヨナラ勝ち。2リーグ制後、月間5度以上のサヨナラ勝ちは、55年7月阪急6度、59年8月大毎5度、68年7月巨人5度、93年ヤクルト5度に次いで21年ぶり5チーム目。西武が月間5度のサヨナラ勝ちは球団史上初めてだ。西武は5試合とも違う打者がサヨナラ打を放っており、チームで月間5人のサヨナラ打は68年7月巨人(柴田、黒江、田中、長嶋、滝)以来で、パ・リーグでは初。今月の残りホームゲーム3試合で、55年7月阪急がマークした月間6度の記録に並べるか。