阪神藤浪晋太郎投手(20)が14日巨人戦(東京ドーム)に先発するプランが3日、急浮上した。DeNA戦が2日連続の雨天中止となったためメッセンジャーの登板予定が変更となり、藤浪の今季巨人戦初登板が実現する可能性が出てきた。負けられない戦いが続く8月戦線。巨人戦の前には8日広島戦(京セラドーム大阪)登板が有力で、広島、巨人倒へ力を発揮するときが来た。

 2日連続の雨が、藤浪G戦登板のプランを急浮上させた。実現すれば藤浪は今季初の巨人戦先発となる。2年目の今季はここまで7勝4敗。カード頭を託されているが、伝統の一戦には登板していない。混セを制するには藤浪の力は必要不可欠だ。出陣の時がきた。

 雨で中止となり、この日スライド先発の予定だったメッセンジャーの今後の登板に変更があったとみられる。中5日で優先的にローテを回ってきた男が、5日ヤクルト戦(神宮)に回ることは、中止後の動きからも明らかだった。早々にクラブハウスへと引き揚げ、ブルペンでの投げ込みも行わなかった。試合前の投球練習を2日前の調整に置き換えたとみられる。

 これにより、9日に先発予定だった藤浪は、もともとメッセンジャーが登板予定だった8日広島戦に向かう公算が高まった。その後、中5日で14日巨人戦(東京ドーム)に向かうことが可能というわけだ。上位を争う広島、巨人を倒す期待を藤浪が背負うことになりそうだ。昨季8月は5試合で4勝無敗で防御率1・09。阪神の高卒新人では史上初となる月間MVPを獲得。正真正銘の夏男だ。

 中5日登板も今季はすでに3度経験済みで問題ない。自らが勝利投手となった5月6日中日戦だけでなく、6月17日日本ハム戦、7月15日中日戦もチームは勝利している。夏を迎えるに当たり「チームが苦しい時期、夏場とか暑い時期、しんどい時期に、若さでフル回転できる自分でいたい」と意気込んでおり、やってくれそうな気配が漂う。

 巨人との相性も悪くない。昨季3戦登板し1勝1敗、防御率2・50。8月4日(東京ドーム)では6回無失点で7勝目を挙げている。大阪桐蔭時代には春夏連覇を達成、今月1日の甲子園90歳のマウンドでは阪神最長タイとなる7者連続奪三振を記録するなど、ここ一番の勝負強さは誰もが認めるところだ。

 チームは首位巨人と2・5ゲーム差の2位につける。さらに3位広島とは1ゲーム差と、混戦状態にある。しばらく甲子園を離れる間に、落とせない試合が続く。急浮上したプランに応える力を、藤浪は持っている。背番号19が、8月戦線を引っ張っていく。

 ▼阪神藤浪のドーム球場と屋外球場の戦績

 藤浪はプロ2年間でドーム球場に通算11試合登板し、4勝2敗(防御率2.51)。屋外球場では30試合登板で13勝8敗(防御率3.34)。ドーム球場での4勝の内訳はナゴヤドーム2勝、東京ドーム1勝、京セラドーム大阪1勝。