<ヤクルト11-20阪神>◇5日◇神宮

 歴史的な長期ロード猛打発進や!

 阪神が今季最多の23安打20得点で死のロードとも呼ばれる夏場の勝負どころに突入だ。和田豊監督(51)は「打ち合いは覚悟していたが、ここまでとは…。久しぶりに打ち勝てた」と安堵(あんど)した。

 猛攻を呼んだのは新井貴だった。初回2死満塁、いきなり試合の行方を左右する場面がきた。左腕八木対策として3試合ぶりに先発起用されたが、八木が直前に負傷降板。右下手投げの山中との対決となったが、普段通りだった。ファウル、空振りで追い込まれた後の5球目、内角寄りの速球を振りぬくと打球はバックスクリーン右へ3季ぶりのグランドスラム。「久しぶりにボールがバットに乗った。打った瞬間手ごたえがあったよ」と振り返った。

 3回には3番・鳥谷がソロを放ち「先頭だったので何とか塁に出ようと思った。それが結果につながった」と言う。5番マートンもソロをマーク。「うまく逆方向に打てた。風にも助けられたかな」と控えめに喜んだ。さらに投手のメッセンジャーも2本の適時打で4打点。5回には4番ゴメスが中軸そろい踏みとなる2ランを放つなど、攻撃の手を緩めなかった。球団記録(24安打)にあと1と迫る23安打、今季最多20得点の大爆発となった。

 だが、最後は追い上げられて11失点しただけに、和田監督は「勝ちパターンの投手を使わずに済ませないと」と反省も忘れなかった。好調打線が長期ロードを逆転Vロードにする。

 ▼阪神が23安打で20点の猛攻。阪神の1試合23安打以上は85年5月6日中日戦の23安打以来5度目で、20点以上は10年8月25日広島戦の22点以来4度目だ。これで阪神の20安打以上は4月6日ヤクルト戦の20安打、同25日DeNA戦の20安打に次いで今季3度目。シーズンに3度の20安打以上は46年4度、49年3度、85年4度、10年4度に次いで5度目になる。この試合はヤクルトも16安打で11点。セ・リーグで両軍の合計得点が31点以上は、99年7月22日横浜22-11ヤクルト以来、15年ぶりの乱戦だった。