<DeNA3-12ヤクルト>◇8日◇横浜

 ヤクルトが「6度目の正直」で天敵を攻略した。5戦5敗だったDeNA井納に3回、集中攻撃を開始。山田哲人内野手(22)が2試合連続となる21号3ランでとどめを刺し、3回途中でKOした。終わってみればプロ野球タイ記録となる8試合連続7点以上の快勝で、DeNA戦の連敗も9でストップ。連続2ケタ安打記録も9試合に伸ばすなど、ヤクルト打線の勢いが止まらない。

 山田のひと振りが、無表情だった井納の顔をゆがめさせた。4点を先制し、なお3回2死一、二塁。「もう1点欲しい」と適時打狙いで外角に的を絞った。思い切り踏み込んでスライダーを振り抜くと、打球は右翼席最前列へ。「まさか入るとは」と驚きの1発で一挙7得点とし、6度目の対戦でようやく井納の心をへし折った。「やられっ放しだったので勝てて良かった」と、頬を緩めた。

 山田が打てるかどうかが攻略の鍵だった。今季の対戦成績は、この試合前まで18打数4安打。それでも、井納からは名指しで警戒された。山田も相性の悪さを認識していた。

 だからこそ1打席目を重要視した。全球スライダーで攻められた。だが「何とか塁に出たい。見極めもあるし1打席目はじっくり見る」と決めていただけに、動じない。3球目まで手は出さず目を慣らし、5球目を中前打に仕留めた。狙い通りに“立ち合い”を制し、「苦手意識があったけど今日はいけるかなと思った」と精神的優位に立った。

 そんなリードオフマンの頼もしい姿が、打線を勇気づけた。2回までの得点機は生かせなかったが、3回に雄平が先制の右前適時打で猛攻開始。続く畠山も「チャンスはここしかないというくらいの気持ちで集中していった」と3ランを放った。山田の1発を含め、井納からの7得点はファーストスイングから生まれた。試合前の「早いカウントで仕留めよう」との指示通りに天敵を退治すると、もう止まらない。9試合連続の2ケタ安打でDeNA戦の連敗も9でストップ。小川監督は「同じ相手に負け続けるのはプロとして恥ずかしい」と胸をなで下ろしつつ「みんなで束になって戦えている。でも、パタッと一斉に止まるとどうしよう」と苦笑いした。

 だが、山田は違った。真剣な表情で「明日もこの雰囲気で行けば勝てると思います」と言い切った。ノリノリの1番打者が低迷打破の鍵も握る。【浜本卓也】